葬儀の役割の見直し コロナ禍にあって

(1)葬儀の内容―葬祭従事者と遺族の見方の違い 葬祭事業者の立場から言えば、葬儀とは、 ①葬儀の電話等による受注 ②病院等からの搬送 ③遺体の安置 ④打ち合わせ ⑤届出・手配 ⑥遺体の管理(納棺、湯灌、ドライアイス処置または保冷庫、エンバーミング) ⑦通夜の準備 ⑧通夜 ⑨葬儀の準備 ⑩葬儀 ⑪出棺 ⑫火葬(北関東以北では火葬を葬儀に先行する骨葬が多い) となる。 遺族等から言えば、 ①臨終時の看取り ②宗教者・葬祭事業者の手配 ③安置された遺体との対面 ④枕経・宗教者との打ち合わせ ⑤葬祭事業者との打... 続きを読む

COVID-19で死亡者の葬儀等のガイドラインと過去の主な感染症

COVID-19で死亡者の葬儀等のガイドライン 2020年7月29日、厚労省、経産省は「新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方及びその疑いのある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」を作成した。 https://www.mhlw.go.jp/content/000653472.pdf これは2020年3月にすでに厚労省のホームページでQ&Aの形で示していた内容を再構成したものである。 作成には、国立感染症研究所だけではなく、行政では東京都、医療関係では日本医師会、日本看護協会、... 続きを読む

コロナ禍の社会と葬儀

最初に紹介する記事(「コロナ禍に想う 自粛と自由」を書いたのが7月25日である。今となってはかなり古い。 この原稿が掲載された新聞が刊行されたのは8月のお盆の頃であった。 この後に現況を考える。 ■コロナ禍に想う 自粛と自由 ・第一波と第二波 本原稿を書いているのは2020年7月25日。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の7月の感染者数が緊急事態宣言下の4月を上回り、第二波を迎えている。 第一波ではほとんどの経済活動が停止に追い込まれたのに比して、第二波では、多くの異論はあるもののGo Toキ... 続きを読む

COVID-19死亡者についてのガイドライン

7月29日厚労省、経産省は「新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方及びその疑いのある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」を新たに作成した。 https://www.mhlw.go.jp/content/000653472.pdf 従来は厚労省ホームページにて「新型コロナウイルス感染症Q&A⇒関連業種の方向け⇒遺体等を取り扱う方へ」で記載されていた。 今回のガイドラインはA4判31ページで実践的、平易、包括的なものになっている。 この作成にあたって国立感染症研究所だけではなく、... 続きを読む

葬儀社の対応―新型コロナ  新型コロナウイルス感染症と葬儀⑧

新型コロナウイルス感染症(COVID-19))は、「未知」の感染症であり、まだまだ明確にならないところが多い。 それゆえの不安があり、対応を難しくさせている。 ■私的提案 葬儀社は、COVID-19による死亡者の取扱いにおいては、 礼意に特に注意し、尊厳をできるかぎ確保するよう努め、複雑な心境にあるご遺族等を適切に配慮する必要がある。 適切な感染防御をするが、事情を丁寧に説明し、けっして粗略に扱われたという想いが生じないよう注意が必要。 また事後において、死者、ご遺族等が不当な非難、偏見、差別に晒されない... 続きを読む