「ハカジマイ」はほんとうに流行っているのか?

NHKでは憑き物がついたように「ハカジマイ」を話題にしている。 ??? 本日アップするのは2017年2月に書いたもので、『ソナエ』に掲載されたのは同年3~4月頃だろう。 再掲にあたり一部を補っている。(以下、本文)   墓石業者に聞くと「新築される墓があまりない。最近は【ハカジマイ】が多い」という。 ハカジマイ=墓をしまう(終う、了う)、つまりは「墓を片づける」ことの意。 ハカジマイとは、従来あった墓や納骨堂を整理し、遺骨をまとめて承継(跡継ぎ)を必要としない永代供養墓(合葬墓)に移すこと。 中には行... 続きを読む

葬送問題のコンテキスト 「NPO法人が切り開いた葬送の多様化とその将来」

このところ紹介すべき本の紹介がしきれていない。 3冊を本の表紙だけ紹介しておこう。いずれも優れた本。出版順に ①星野哲『「定年後」はお寺が居場所』(集英社新書) ②松島如戒『私、ひとりで死ねますか―支える契約家族―』(日本法令) ③瀧野隆浩『これからの「葬儀」の話をしよう』(毎日新聞出版) 星野さんは立教大学社会デザイン研究所研究員、元朝日新聞記者。 松島さんはりすシステム創始者。 瀧野さんは毎日新聞社会部編集委員。 お三方とも私と親しい関係にある。 これからが本文 葬送問題のコンテキスト... 続きを読む

シンポ「NPO法人が切り開いた葬送の多様化とその将来」

エンディング産業展2018年8月22日~24日に東京ビッグサイトで行われる。 私はこうしたイベントとはほとんど無縁で、エンディング産業展の第1回のパンフレットに葬送業界の概況について書いたことがあるくらいである。   私は、八木澤壮一先生等との関係で旧葬文研(葬送文化学会)のメンバーで、現・日本葬送文化学会の名前だけ(会費を納めるだけ)の会員であるが、現会長の福田充さんから話があって、24日13時~14時半に行われるシンポジウムのコーディネータを務めることになった。   テーマは NP... 続きを読む

海洋散骨ガイドラインへの要望―『海へ還るー海洋散骨の手引き』を読む(3)

前回まで 海洋民族の記憶の古層―『海へ還る―海洋散骨の手引き』を読む(1) https://hajime-himonya.com/?p=1578 海洋散骨ガイドラインー『海へ還るー海洋散骨の手引き』を読む(2) https://hajime-himonya.com/?p=1581 『海へ還るー海洋散骨の手引き』を読む が少し長くなった。 今回はこれでまとめるため、少し長くなっている。 海洋散骨ガイドラインは極めてよくできている。 前回紹介していなかった項目で重要と思われるのは 10 日本海洋散骨協会ガイド... 続きを読む

海洋散骨ガイドライン―『海へ還るー海洋散骨の手引き』を読む(2)

村田ますみ編『海へ還るー海洋散骨の手引き』はいろいろな意味で興味深かった。 特に興味深かったのが「付録」として掲載された日本海洋散骨協会「海洋散骨ガイドライン」である。 これは優れている。 ガイドライン策定趣旨に次のように記されている。 万が一、散骨の態様が祭祀としての節度を越え、一般市民の宗教的感情を害した場合、遺骨遺棄罪にあたり違法と判断される可能性があります。 そこで、海洋散骨が祭祀としての節度をもって行われることを確保するために、業界団体として散骨方法に関する自主基準を策定する必要があると考えま... 続きを読む