藤井正雄先生のこと

宗教学者、大正大学名誉教授である藤井正雄先生(1934年生まれ)が6月9日にお亡くなりになった。83歳。 浄土宗僧侶(お父上は浄土宗門主、知恩院85世、増上寺84世の藤井實應師)。 仏教と民俗の関係についての研究の第一人者である。 「仏教の民俗化、民俗の仏教化」は名言。 1990年以降は生命倫理に強い関心をもたれ、京大再生医学研究所倫理委員会委員、日本生命倫理学会会長も歴任された。 若い頃、当時気鋭だった学者仲間には奈良康明、佐々木宏幹、山折哲雄、伊藤唯真氏らがいる。 私の関心から言えば、先生は葬送と仏教... 続きを読む

いくつかの報告―経王寺「ハスのカホリ」、毎日新聞「合葬墓」

経王寺 少し前の話だが、互井鑑章さんが住職の日蓮宗経王寺(東京都新宿区)の寺報『ハスのカホリ』2018年春号47号が送られてきた。 経王寺のホームページ http://www.kyoouji.gr.jp/index.html 経王寺のFacebook https://www.facebook.com/kyoouji/   『ハスのカホリ』2018年春号47号こに互井さんと私の対談「葬儀とお寺の未来」が掲載されている。   『ハスのカホリ』表紙   目次 互井住職×碑文谷創 1 2 3 ... 続きを読む

葬祭サービスの歴史的文脈ー葬祭サービスとは何か?(1)

以下、昨年度に季刊誌『CORI』に連載した「葬祭サービスとは何か?」を数回に分けて掲載する。 1年をおいて掲載するのは雑誌に対する仁義のようなものである。 掲載にあたって手を加えている。 本稿の対象は葬祭事業者である。 第1回は「葬祭サービスの歴史的文脈」である。 葬祭サービスの歴史的文脈~葬祭サービスとは何か?(1) 「葬祭サービス」という表現はいまや葬祭業を語るときに一般的な表現としてある。 しかし、その歴史は、本格化してまだ約20年にすぎない。 1955(昭和30)年以降に日本では「葬祭サービス」と... 続きを読む

個人化時代の葬儀(1)‐弔いのあり方

個人化時代の葬儀①―弔いのあり方   朝日新聞(2018年2月4日)に「弔いのあり方」(全4回)の1回目「お葬式」が掲載された。 1ページだてである。   https://digital.asahi.com/articles/ASL2200C7L21ULZU01C.html?iref=comtop_8_06   主旨は 団塊の世代が高齢化し、“多死社会”が本格化します。大切な家族が亡くなったら、どこに相談すればいいのか。葬儀の費用はいくらかかるのか。自分が眠る墓はどうするのか――。お葬式やお墓への不安... 続きを読む

自身の樹木葬や宇宙葬への考えは?-Q&A(2)

前回に続きます。 https://hajime-himonya.com/?p=1550 (2)自身の樹木葬や宇宙葬への考えは?     Q  長く葬送という事に向き合ってきて、自身の樹木葬、宇宙葬等の現代の葬儀に対する考えを聞いてみたいと思いました。   A 私は90年代の初期より、初期の跡継ぎ不要の永代供養墓の概念作成、日本最初の樹木葬墓地の理念作り約款作成に関与してきました。 散骨の合意形成にも関わりました。 どんな人も埋蔵を拒否されることなく、自分の想いが生かせるような選択肢を葬送の世界に築きたい... 続きを読む