葬儀Q&A

Q14 自分がボケた後が心配

 

Q.私は5年前に夫を亡くし、アパートを経営しながら一人暮らしをしています。2人の男の子はそれぞれ別の地で家庭をもっています。最近物忘れも多くなり、この後ボケてしまったらと心配です。子どもたちには迷惑をかけたくありません。(78歳女性)

A 任意後見という制度があります。これをご利用なさったらいかがでしょうか。
 任意後見制度は、本人が判断能力が充分なとき、将来の判断能力の低下に備えて、本人が後見人を選定し、本人の希望する支援内容を定めて公正証書で契約を結んでおく制度です。
 あなたが万一にボケてしまったとき、あなたに代わってアパートの管理をしたり、その収入で老人施設に入る、あるいは社会福祉士に自宅で介助してもらいながら生活する、ということをあなたの意思で決めておくことができます。

後見人もあなたが決めておくことができます。もし適当な人が身の回りにいないときには、法律・財産管理のことは司法書士会のリーガルサポートに、身上監護のことでしたら社会福祉士の「ぱあとなあ」に後見人候補を依頼することができます。
・リーガルサポート(司法書士)
 電話03-5275-3694
・ぱあとなあ(社会福祉士)
 電話03-3353-8191

 予め、任意後見の契約を行い、法務局に登記しておきますと、いざあなたがボケたりして判断能力が充分でなくなったときに、その程度に合わせて、あなたが今の段階で希望した支援を受けることができます。
 また、後見人があなたの意思どおおりに正しく支援しているかどうかは、家庭裁判所が定める任意後見監督人が監督してくれます。

 任意後見に必要な費用は次のようになっています。
(1)契約に必要な経費
 公正証書作成手数料1万1千円、登記嘱託手数料一四〇〇円、登記印紙料4千円、その他証紙代など約6千円
(2)報酬(月)
 任意後見人の報酬は定まっていないが2~3万円が目安。任意後見監督人の報酬は家庭裁判所で決めるが任意後見人の報酬を上回ることはない。
 また、葬儀など死後のことについては、委託したい人と希望する内容と支払い方法を別に契約を結び公正証書にしておくとよいでしょう。死後のことに関する契約は「生前契約」と一般に言います。

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