人口動態統計の最新の発表等があったため、それらの紹介を兼ねて、本日「も」長い。 ■「人生90年時代」の到来と少子多死社会の伸び 平成29年(2017)簡易生命表によると、平均寿命(0歳児の平均余命)は、男性81.09年、女性87.14年と前年比0.1年伸びた。 1960(昭和35)年が男性65.32年、女性70.19年であったから約60年間で15~17年伸びたことになる。 より実感に近いのは寿命中位数である。 「寿命中位数」とは、「生命表上で、出生者のうちちょうど半数が生存する... 続きを読む
月: 2018年9月
人生は統計どおりにいくわけない
「人生90年時代」と言われる。 (「100年時代」と言われることがあるが、少し早すぎ) 女性の寿命中位数(過半数が生存する年齢。出生者のちょうど半数が生存すると期待される年数)が、90年を超えたからである。 最新の簡易生命表(2017【平成29】年)によれば、寿命中位数は男性84.08年(平均寿命81.09年)、女性90.03年(同87.26年)となっている。 以下の原稿は2016年12月に書いたので、雑誌掲載は2017年2月頃であろう。 ※データは執筆当時。 ・・・・・・・・... 続きを読む
彼岸入り 墓参り
本日9月20日は彼岸入り。 そこで墓参りに出かけた。 私が管理している墓の一つが東京・品川にある臨済宗の寺「東海寺」の大山墓地にある。 東海道新幹線が通ることで改築したらしい。 墓のすぐ後ろを新幹線が走っている。 新幹線のための改築の際に墓所は少し狭くなったらしいが、今でも大きい。 その理由は明治37年に55歳で死亡した父方の曽祖父が陸軍の将軍であったからだ。 曽祖父の横に曾祖母の墓があり、左手前に祖父の弟の家族の墓が同じ墓域にある。 父方の祖父母の墓は仙台の北山にあるキリスト教墓地にある。 東海寺の... 続きを読む
「終活ブーム」の底にあるもの
「人生90年」時代に突入した。 明治期までの「人生40年」の倍、統計的な話ではあるが、「人間の一生」は長くなった。 子どもは、6歳で小学生、12歳で中学生…と成長のめどがある。 しかし、高齢者には「いつまで」というめどがない。 私は「たぐいまれ」と言われた古希を過ぎた。 正直なところ生きるのにいささか疲れている。 「もう、いつでもよい」という想いだが、こればかりは自分では決められない。 学生時代に同級の親友に死なれて以降、元々執着心があまりない人間であるが、4年前に姉を72歳で亡くして以降、ことさら自分の... 続きを読む
「いのち」を考える―生死のつながりの中で
『ソナエ』に2016年末から当時の赤堀編集長との縁で連載記事をもたせていただいた。 約2年のお付き合いであった。 現在発売中の同誌の記事をもって連載終了となる。 「終活」をうたう一般の人向けの発言、というのは私としては得意ではない。 実践的に行政や市民団体との関係で係わることはあったし、それは終末期の問題から死後事務まで幅広く学んできた者の責任であると思っていた。 事実、当初は終末期医療、介護、葬儀、墓、遺言や財産相続、死後事務が独立しており、相互に知識を共有することはなかった。 行政の研究会に参加しても... 続きを読む