「暴力」とは何か?

今朝(2018年8月31日)の朝日新聞朝刊スポーツ欄の「視点」(パワハラ疑惑 体操協会が第三者調査へ 「反暴力」揺るがすな)は、何とも言えぬ不快感を感じさせるものであった。https://digital.asahi.com/articles/DA3S13658205.html?iref=pc_ss_date そこには「暴力」についての本質的考察を欠いた、「優等生的な常識」「上からの説教」だけがあったように感じたからだ。 「日本体操協会が、指導中の暴力を理由に速見佑斗コーチを無期限の登録抹消処分としたこと... 続きを読む

葬送問題のコンテキスト 「NPO法人が切り開いた葬送の多様化とその将来」

このところ紹介すべき本の紹介がしきれていない。 3冊を本の表紙だけ紹介しておこう。いずれも優れた本。出版順に ①星野哲『「定年後」はお寺が居場所』(集英社新書) ②松島如戒『私、ひとりで死ねますか―支える契約家族―』(日本法令) ③瀧野隆浩『これからの「葬儀」の話をしよう』(毎日新聞出版) 星野さんは立教大学社会デザイン研究所研究員、元朝日新聞記者。 松島さんはりすシステム創始者。 瀧野さんは毎日新聞社会部編集委員。 お三方とも私と親しい関係にある。 これからが本文 葬送問題のコンテキスト... 続きを読む

妙光寺・安穏廟が切り開いたもの

2018年の新潟・妙光寺の送り盆(第29回フェスティバル安穏)が8月25日(土)に行われた。 妙光寺からの報告 https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1660681727391950&id=503879279738873 永石光陽さん(大分・常妙寺住職)のレポート  https://www.facebook.com/hiroshi.fujita.79677/posts/1009145359291530?comment_id=10091... 続きを読む

戦場が兵士の心を蝕む

朝日新聞8月16日朝刊に「(消された戦争 記録と記憶:3)見過ごされたトラウマ」(木村司記者)という記事が掲載された。 https://digital.asahi.com/articles/DA3S13637456.html?ref=pcviewer YAHOOニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180816-00000007-asahik-soci 「戦場での体験や軍隊生活を原因として、心に傷を負った多くの日本兵がいた。しかし、そうした人たちは、この社会... 続きを読む

「聖職者」の虐待に思う「聖」への幻想

日本では僧侶の堕落について言及するとき、妻帯制度をもち出す人が依然として多い。 僧侶に「聖職者」たるべきことを求め、出家によって異性と交わらない道を歩むことを過度に期待した幻想による所産でしかない。 日本では1985(明治5)年に僧侶の異性との接触、異性間交渉を長く禁止していた僧尼令が廃止され、以降は僧侶の肉食妻帯は自由とされた。   もとより僧尼令はあれど、破戒僧はいつの時代にも存在したし、実態として守られてきたわけではなく、一休、親鸞の時はあまり問題とされていない。   宗教に係... 続きを読む