「脳死」が出て「心臓死」という言葉が流通するようになったと同じく、 「家族葬」が流行することで「一般葬」という言葉が使われるようになった。 しかし「一般葬」という言葉はあまり好きではない。 葬儀というのは本来死者や家族によって個別固有なはずなのに、と思うからだ。 大体「家族葬」という言葉はブレのある言葉だ。 出現した時はバブル期までの葬儀への反発から出てきた言葉だったように思う。 バブル期の末期には、普通の個人葬で200~300人の会葬者を集めた葬儀が珍しくなかった。 そして会葬者の7割程度を生前の死者を... 続きを読む
月: 2016年10月
「自死」ではなく「自殺」? 血迷ったか中外日報②
サナトロジー(デス・スタディ)の研究の端緒となった一つが、朝鮮戦争やベトナム戦争の帰還兵の精神病理の研究であった。 米軍の帰還兵だけの問題だけではない。自衛隊員の自死率、PKO派遣隊員の自死率の高さは異状である。 これは昔から言われてきたことだが、中外日報の社説子は読んでもいなかったのだろう。知らなかったのだろう。 「人を殺すのは刃だけではない」 他者や環境からくる凄まじいまでのストレスは人をも殺すのだ。 そこで死ぬのも生き残るのも、当事者の意思力や健康、助け手の存在なんかではない。 たまたまなのである。... 続きを読む
「自死」ではなく「自殺」? 血迷ったか中外日報①
仏教界のオピニオン紙「中外日報」2016年9月30日号の社説「自殺美化の危険」は、自死に対する偏見を助長するもの以外のなにものでもない。 http://www.chugainippoh.co.jp/editorial/2016/0930.html 新聞などでは近年、自殺といわずに「自死」と言い換える傾向が見られる。刺激的に響く語を避けて穏やかな表現に修正することはよくある。本紙では自殺と自死を併用するが、「自死」と表記する場合、残された「自死遺族」の立場・人権を特に配慮している。 そのことも踏まえ、あえ... 続きを読む
ご心配に感謝
先回の休刊、事務所閉鎖のご報告に対して、多くの方々からご心配のメールやお電話をいただきました。 ありがとうございます。 ご心配いただいている「からだ」については元気にしております。 (相変わらずの薬漬けではありますが) 先日、ご迷惑をおかけした印刷会社にお詫びにうかがいました。 事務所創設以来、変わることなくお世話になった会社です。 歴代3人の担当者にお世話になりました。 印刷経費のもっと安い会社はあったでしょうが、雑誌というのは印刷との深い連携が必要です。 担当者のこれまでの尽力に感謝し、最後にご迷惑を... 続きを読む
雑誌『SOGI』休刊のお知らせ
本年1月4日以降の更新になります。 重要な告知をさせていただきます。 2016(平成28)年9月28日をもちまして 雑誌『SOGI』の休刊と㈱表現文化社の閉鎖 を告知させていただきます。 雑誌『SOGI』の創刊は1991(平成3)年1月。 以来四半世紀、年6回刊行してまいりました。 2016(平成28)年8月刊行の通巻154・155合併号(特集「葬送の原点と歴史」) が最終号となりました。 死と葬送をテーマに、多くの方々のご協力により、刊行を続けてまいりました。 儲け話とは無縁の地味な雑誌が四半世紀継続で... 続きを読む