Q.兄と2人兄妹です。兄は大阪で家庭を営み、私は結婚しましたが実家で老母の世話をしています。父の十三回忌が近づきましたので兄の家に電話をしたところ、兄嫁が「いまは長男の責任という時代ではなく、家にいる者の責任の時代」と言います。兄が喪主なはずなのに、納得できません。(50歳女性)
A お父様のご葬儀はお兄様がなさったので、あなたとしては法事についてもお兄様が喪主を務め、計画等を立てるのが当然で、妹であるあなたがいろいろ差配することは出すぎたことだと考えられたのだと思います。それに対してお兄様の配偶者はあなたが実家にいるのだから大阪に出てきたお兄様ではなく、あなたが法事の差配をすべきだと言っているのでしょう。
ここで話がややこしくなっているのは、あなたが実のきょうだいであるお兄様が話をしているのではなお兄様の配偶者と話をしていることです。お父様の法事のことですから、ごきょうだいで直接相談されるのがよいと思います。
直接話し合って、お兄様が忙しいから妹であるあなたが代わって差配するという結論になっても、法事は特別のことだからお兄様の責任でやることになっても、どちらでもかまわないと思います。
長男であるお兄様の責任と決めることも、実家にいるあなたの責任とすることも、どちらも理屈が通るようですが決まっていることではないのです。
ご両親のことは子どもにとって共通に責任をもっていると言うことができるでしょう。
遺されたお母様の気持ちも考え、ごきょうだいでそれぞれ仕事を分担して、きちんと法事ができるようにするのがごきょうだいお二人の責任であると思います。
お兄様の配偶者としては、夫は家を出て、実家のことは妹さんに任せたのだから、実家の面倒まで見られないという気持ちがおありでしょう。
しかし法事は、家のことと言うよりも肉親、家族の問題であると考えるべき問題です。あくまでごきょうだいで直接話し合いをして、お父様の法事が滞りなく行われるように考えたいものです。
かつてですと葬儀・法事は長男の責任と決まっていましたが、いまの時代は違います。きょうだいが共通して責任を負うべき事柄です。