Q.田舎の寺にある祖父母の墓を現在の居住地に移したいのですが、手続きと費用を教えてください。(62歳男性)
A 法律的な手続きとしては、
(1)いまある田舎のお寺におじいさまとおばあさまの遺骨があることを証明する埋蔵証明書を発行してもらい、
(2)田舎のお墓のある市区町村役所に行って改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を得ます。
(3)新しく移る墓地に改葬許可証を提出します。
埋蔵証明書、改葬許可証は1人分ずつ必要なので、2枚ずつ必要になります。移転先の受入証明書の発行を求められる場合もあります。
法律的には以上ですが実際にはお寺との交渉が問題になるケースがあります。
田舎のお寺としては檀家が一つ減ることになるために改葬を歓迎せず、埋蔵証明書をすぐ発行してもらえない場合があります。まずお寺にうかがい、よく事情を説明し、住職に納得してもらいましょう。
なお、いままでのお墓は使わなくなるわけですからご住職に供養をしていただきます(閉眼供養)。
このためのお布施はいままでお世話になったことへのお礼と合わせて10~20万円くらいが相場でしょう。
また、いままでお墓として使用した場所は、更地にして戻す必要があります。
この工事は石材店に頼むことになりますが、墓石の撤去費用も含めて1㎡あたり10万円が目安になります。3㎡の普通のお墓の場合には30万円が目安になります。石碑を新しい墓地に移す場合には、これに輸送費が加わります。
新しく墓地を求めるときには、使用料が公営の場合には15~30万円程度、民営の場合には首都圏では1㎡あたり60~80万円が目安になります。
これに工事費が加わりますが、石碑のデザインと石材によって大きく変わってきます。
和型の3段のケースでは1㎡あたり石碑と外柵・基礎工事で150~200万円が目安になります。芝生の公園墓地で洋型の墓石ならば60~80万円くらいが目安です。
信頼できる石材店を選ぶことが大切で、石材店で霊園の紹介をしてくれます。石のことにも納得できる説明をしてくれるお店を選びましょう。
工事にあたって見積書と図面を提出してくれるところが最低条件です。くれぐれもブローカーに任せないことです。
お寺の墓地にするならば、田舎のお寺と同じ宗派のお寺にしましょう。
新しく檀家になるので、入檀料として10~20万円を用意しましょう。この分、お寺の墓地が民営より費用が高めになります。
また、新しいお墓ができたときには仏教では僧侶に供養をしてもらいます(開眼供養)。このお礼として5~10万円お布施を用意します。
お墓を使用するには管理料が毎年かかりますので霊園で金額を確認しておきましょう。公営は安価ですが民営の場合1㎡あたり5~8千円くらいかかります。
お墓の引越しは手続きも費用も意外とかさむものです。慎重に計画を立てる必要があります。