葬儀Q&A

Q27 焼香の際の挨拶はいつ?

 

Q.お葬式にあまり出たことがないので焼香の作法がよくわかりません。ご遺族に挨拶するのは焼香の前ですか、後ですか。(32歳女性)

A 次のような場面を想像してみてください。恩師が亡くなり、ご自宅に弔問にうかがい、ご遺体と対面してお別れをすることになりました。どうするでしょうか。
 まずご遺族に一礼して「失礼いたします」と言ってご遺体の前に進み、恩師のお顔をゆっくり見て、合掌し、深く礼拝し、下がってご遺族に「お別れさせていただき、ありがとうございました」と一礼するというのが自然でしょう。
 お葬式の焼香というのは、これと同じで、亡くなった方とのお別れです。丁寧に行おうとするならば、まずご遺族に一礼し、祭壇の前に進み、焼香します。その後、合掌し、深く礼拝し、下がってご遺族に一礼します。
 このように丁寧に行おうとするならば焼香の前後に2回ご遺族に礼をします。

 しかし、お葬式の焼香の場面では多数の方が焼香します。ご遺族はその度に挨拶を2回ずつするのではたいへんです。そうでなくとも精神的に打撃を受けてたいへんなわけですから、そのご遺族の身になるということも大切なことです。
 そこで最初のご遺族への礼は省略し、祭壇の前に進み、焼香をし、ゆっくりと深く合掌礼拝します。終えてから、ご遺族の方へ向かって一礼して下がります。

 焼香は宗派により回数が異なったりしますが、お葬式のときは心を込めて1回でいいでしょう。
 香を額にいただくかはこれも宗派により異なります。浄土真宗の場合には自分を浄めるということで香をいただくことはしません。他の宗派はいただきます。これは相手の宗派に合わせるというよりもご自分の宗旨に合わせて行ってかまいません。
 作法はわかっているにこしたことはありませんが、大切なことは、その場がご自分と亡くなった方との一対一のお別れの場であるということです。心を込めてお別れしましょう。

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