Q.父が他界したのですが、父の弟と父の遺骨を先祖代々の墓に入れる、入れないでトラブルになっています。お墓は田舎にあり、先祖代々の遺骨が納められております。父はいまから30年ほど前に実家を出て、その後は祖母は父の弟と同居してきました。父の弟は今回、父は勝手に実家を出ていったのだから墓は自分で探すのが筋である旨、主張しています。祖母は父が先祖代々の墓に入ることを望んでおり、亡くなった父も同じことを望んでいます。(28歳男性)
A 問題は実家のお墓の使用権をどなたがもっているかです。お祖父様が亡くなった後、お祖母様が使用者となっているのであれば、お祖母様も希望していることであるし、いくら叔父様が反対しようと、お父様の遺骨を実家の墓に納骨することができます。
長男であるお父様が使用者になっていたならば、これも使用権はあなたなりのご家族が承継することになるはずですから問題はありません。
問題は叔父様が使用権をもっている場合です。お父様が30年前に実家を出られたときに、実家の面倒を見てもらうために、その墓の使用権を弟である叔父様に譲られているのであれば、実家の墓に誰が入るか入らないかは叔父様が決定権をもつことになります。
法律的にはお墓の使用権者が決定することになっており、墓地の管理者も使用権者の承諾なしには勝手に納骨を許可することができません。
法律的には誰が使用権を有しているかですが、これはお祖母様、お父様の弟である叔父様の家族の問題です。お父様も実家を出たとはいえ実家の墓に納骨されることを希望していたことを伝え、お願いするのがいいでしょう。
もし、叔父様が使用権者で、どうしても承諾していただけないときには、お父様のために別にお墓なり納骨堂を用意する必要があります。しかし、納骨はすぐしなくてもいいのですから、一時預かりをお寺や納骨堂にお願いしておき、しばらく時間を置いてからまた相談することも一つの方法であると思います。