葬儀Q&A

Q51 香典辞退すべきか?

 

Q.関西在住ですが、最近ご近所は香典辞退される方が増えています。しかし、父の葬式には全国から会葬の方が見えると思います。近所に合わせて香典辞退とすべきでしょうか。その場合、香典を持参された方に失礼にならないでしょうか?(48歳女性)

 関西では、「香典をもらわないと葬式できないような家ではない」「香典返しが面倒」などの理由で香典を辞退される葬式が増えていますが、そもそも香典とはどういうものかを考えると疑問です。
 香典を持って来られる方は故人に弔意を表そうとして香典を持参されるのです。お金という形をとりますが、気持ちです。
 ですから香典を辞退するとは弔意の気持ちを受け取らないということになりかねません。特に故人と親しかった人の場合には、香典を受け取ってもらわないと気持ちが釈然としないところがあります。

 香典については喪家側の都合よりも香典を持参される方々の気持ちをまず尊重すべきであると思います。
「近所で香典辞退が一般的だから」と合わせる必要はありません。
 もし香典を辞退される場合には、葬式の通知、案内文に「ご香典はご辞退申し上げます」と書く必要があります。受付にも書いておきます。なぜそれが必要かというと、葬式では香典を受け取るのが基本になっているからです。
 もし仮に香典を辞退されてもお花(大阪では紙樒という習慣があるようです)までも辞退するのは行き過ぎでしょう。それこそ会葬される方の気持ちを受け止めるものがなくなるからです。

 そもそも香典辞退は社葬から始まったと言われています。それも弔問者の気持ちではなく主催する会社の都合から始まったものです。会葬者は故人を追悼する気持ちで来るのですから、その弔意の表現である香典は会社ではなく、遺族が受け取るのが正当です。お返しも遺族が行うのであれば何らの問題がないのです。
 葬式というのは合理的であるばかりがいいわけではありません。遺族の気持ち、会葬される方々の気持ちを尊重したものでありたいものです。

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