Q.私は娘が外国暮らしで一人住まいです。死亡したら、葬式はどうしらいいでしょうか?(72歳女性)
A いざというときは娘さんが帰国してやってくれるというならばいいのですが、そうでない場合について考えてみましょう。
葬式をサポートしてくれる市民団体あるいは葬儀社に事情を話して相談してみましょう。
まず相手先が信頼できるかどうかの確認が必要です。相談してみて信頼できると確認できたら、相手先から葬儀の見積書を受け取り、費用が納得したら生前契約を締結しておきます。
また、費用は事前に支払うと、約束が履行できない場合に困りますので、約束通りの葬式が行われたら支払われる仕組みにしておきましょう。
遺言で「負担付遺贈」というのがあります。つまり葬儀を契約通りに施行してくれたら残した財産から支払うという形式です。
契約先の法人を祭祀主宰者に指定しておきます。本来は娘さんがいいでしょうが、外国で暮らしていて、すぐ戻って来られないとか、葬式の手配等ができないなら、これをやってくれる人を予め指定しておきます。
できれば祭祀主宰者の指定、負担付遺贈は公正証書遺言にしておき、生前契約も公正証書にしておくとよいでしょう。
こういう手当てをしていても、問題は万が一の時に連絡がきちんとできなくてはいけません。家のわかりやすい場所に契約先の連絡先を記すほか、いつも携帯している免許証や財布にも連絡先を書いた紙を入れておきましょう。
生前契約の中には、どんな葬式をいくらでするか以外に、娘さんへの連絡も入れておきましょう。
娘さんがすぐ帰って来られない場合にはエンバーミングすることによって遺体を衛生的に保全することができますので、そのことも生前契約に入れておくとよいでしょう。
また、娘さんと電話、メール、ファックスで定期的に連絡をとるようにしていて、連絡がないときには娘さんから契約先に連絡する、あるいは契約先と定期的に連絡を取るようにしていると、いざという時の助けになります。