葬儀Q&A

Q68 カロートが一杯、そのときは?

 

Q.我が家のお墓は小さく、カロートには骨壺が4つしか入れられません。すでに祖父母、両親の骨壺が入っています。この後はもう誰も入れないのでしょうか?(64歳男性)

A 昔のお墓では、遺骨を納めるときに骨壺のままではなく、遺骨を出して入れたり、布に包んで入れたりしていました。現在のようなコンクリートでできた納骨室(カロート)などがない場合が多く、あっても底は土という場合が多かったのです。
 長野では市営墓地ですが、いまでも遺骨を納めるときには、骨壺から取り出して入れるような仕組みになっています。東京の下町の古いお寺のお墓では、いまでも骨壺から遺骨を出して納めている例があります。

 かつては墓は1坪(3㎡)単位が多かったのですが、いまの首都圏では0・6㎡などの小さなお墓が多く売り出され、骨壺単位で納めようとすると数が限られるところがあります。一杯になったら、もうそのお墓は使えないのでしょうか?
 そんなことはありません。石材屋さんが勧めている方法は、古い骨壺からカロートの床にあけていく方法です。

 戦後のお墓が骨壺単位で納める方法が主流になったのは、改葬の場合を想定したからでしょう。改葬とはお墓の引越しのこと。この場合には、一体ずつ分かれている方が便利です。
 しかし、この骨壺単位の納骨(法律的には「遺骨の埋蔵」)、いつまでも土に還らない方式です。また、個人ということが死後も意識されている戦後の考えの反映とも言えます。

 最近注目されている樹木葬(桜葬、里山葬も含む)では一般に骨壺が用いられません。
 土葬の場合、土壌によりますが、長い年月の後では遺骨は原形を留めなくなり、「土に還る」ケースが多かったようです。しかし、現代の高温で火葬された焼骨がはたして土に還るかどうかはわかりません。

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