Q.会社の同僚の母親が亡くなられ、通夜に参列することになりました。用意をしてなかったので、いったん家に帰って喪服に着替えたうえで参列すべきでしょうか?黒いネクタイを買ってネクタイだけ変えればいいでしょうか?(38歳男性)
A かつて会社人間が隆盛を誇ったときには「営業の人間は何かの時に備えて、会社のロッカーに黒服を用意しておけ」、「黒いネクタイは1本用意しておけ」と言われたり、はては駅の売店では腕に巻く黒の喪章を売っていたり。「お取引様に失礼のないように」とか「他人にマナー違反で笑われないように」とか言われて、その結果、いまでは葬儀の席だけでなく、通夜も黒服のオンパレードです。過剰な社会・世間・他人の目を意識しての礼服化が進んだ結果です。
日本では本来は通夜までは死者を生きているごとく扱いますから、遺族すら喪服は着用しないもの。断念し死を受け入れ、葬式を出す時になって遺族は喪に服していることを表明し、喪服を着用しました。通夜に喪服を着て参列しようものなら世間知らずと笑われたものです。
腕に巻く黒の喪章は、遺族に代わって受付等する人たちが、遺族側であることを示して付けるもの、会葬者側が付けるものではありません。
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