葬儀Q&A

Q72 お花は対で?

 

Q.会社の取引先の営業部長が亡くなりました。会社としてお花を出したいと思うのですが、以前、「お花は対で出す」と耳にしたことがあるのですが。42歳男性)

A 葬儀のときに出すお花は一般に「供花」と言われています。「供花」は「供物」の一つと見られることもあり、「供花」と「供物」は別物と見られることもあります。
「供花」には一般的に「花輪(花環)」と「生花」がありますが、中部、関西では、造花の「花輪」ではなく仏花と言われる「樒」が用いられることもあります。

 樒は「しきみ」とも「しきび」とも言われ、シキミ科の常緑小高木で、葉は香気があり、お墓にも植えられることもあります。また、樒の葉で、「死水(しにみず)」あるいは「末期の水」と言って、死亡直後に死者の唇を水で潤すときにも用いられることがあります。
 最近では生樒(なましきみ)を見ることが少なくなり、代わりに生花が用いられたり、大阪あたりでは、簡略化のために、ボードに贈り主の名前だけ張り出す「紙樒」も現れています。

 かつては「個人は生花、団体は花輪」とも言われたこともありますが、最近は花輪も見られることが少なくなりました。葬儀の場所が斎場(葬儀会館)となることで、斎場建設にあたって付近の人から「外に花輪を出さないでほしい」といった条件がつくケースも多く、この10年、花輪は少なくなっています。

 生花ですが、今では「対で」ということはあまり言われないようになりました。対で飾られるのは「喪主」「遺族一同」「親戚一同」といったケースがほとんどで、一般の方が対で出すケースは少なく、1基単位で出すケースが多いようです。
「供花」については地域差もありますし、時代によっても変化が見られます。ですから、ここでお答えするのはあくまで一般的な潮流ということにすぎません。

 大きな葬儀では、祭壇の両横に名前の入れた生花が飾られたものですが、生花も祭壇ではなく、式場の両サイドやロビーに飾られたり、各々の花の下に贈り主名を入れるのではなく、まとめてボードに贈り主名を表記するケースもあります。
 1基の値段はいろいろとありますが、基準となるのは1万5千円というのが多いようです。

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