葬儀Q&A

Q100 おじやおばが口を出すが…

 

Q.先に父を送った時におじ、おばらの親戚が何かと口を出してきて苦労しました。母の時、親戚に口を出させないいい方法はありますか。(51歳女性)

A  葬式というのは皆厳粛な顔をして静かにしているもの、と考えていると、実際にはけっこう騒々しくてとまどうことが少なくありません。
 お尋ねの親戚の意見だけとはかぎらず、家族の間でもそれぞれが気が立って、つまらないことで言い合いが起こるものです。

 親が亡くなった時、子どもたちがきょうだい間で揉めることは、80年頃以降に強まった現象といわれています。家長の権限がなくなり、きょうだいは平等に遺産を相続することになった戦後の新民法が普及したことを理由とする人もいます。

 たとえばその一つに、親の面倒は長男一家がみるケースが多いことから、長男とその他のきょうだいが対立するケースがありました。
 しかし、今では親の世話を長男一家がするのは必ずしも常識ではなくなっています。長男の「嫁」が世話するよりも実際の娘が世話するケースが上回っています。娘が結婚しようが独身であろうが変わりはありません。親の世話を誰がするかはそれぞれの事情によりさまざまです。

 きょうだい喧嘩の原因はそれだけではありません。それぞれのきょうだいがそれぞれが親と固有の関係を結んでいる部分があるからです。
 古い話ですが、私の祖母が93歳で死亡した時、父とおじが何かと言い争っていたことを記億しています。その争った内容はごくごく些細なことで、孫世代はただただ呆れて傍観をきめこみました。すでに死亡していた祖父は破産し、息子の家に厄介になった身ですので、祖母には遺産はありません。ですから遺産目当ての喧嘩ではないのです。

 私の父や母が死亡した時、父とおじの言い争いを経験していたので、きょうだい3人で話して、意見が合わなかった点については多数決で決定すると最初に申し合わせました。おじが来た後はおじの意見も参考にしました。くい違いといっても些細な点ですから、ルールさえ決めてあれば、感情を後にもち越すことはありませんでした。

 98歳で死亡した母の時は、母のきょうだいはすべて先立っていましたので、来たのは親戚といってもいとこたちだけでした。
 87歳で死亡した父の時は、5人きょうだいで唯一残った弟であるおじが来てくれました。その他はいとこたちでした。
 おじは自分の母である祖母の葬式では意見を言いましたが、父の葬式では終始口を開かず、父の子どもである私たちきょうだいのするままに任せてくれました。

「葬儀の挨拶状は子どもたちが書くように」というのが父の言いつけでしたから、挨拶状は兄が原文をつくり、私がそれに大幅に手を入れ、最後に姉がその文章を手直ししながら入力して完成させました。
 誰の名前で出すか、という時、母を最初に、生まれた順に、姉、兄、末弟である私の順に書き、最後におじの名前を入れました。おじに伝えると「ぼくはいいよ」と言いながら少しうれしそうでした。

「親戚が口を出す」というのは戦前の家制度の慣習が残っているところだけで、実際に口を出す可能性があるのは、故人のきょうだいたちであるのがほとんどです。きょうだいにはきょうだいなりの想いがあります。また、あって当然です。
 しかし、子どもにとっては、それを「本人のきょうだいの意見」とは受け取らず、「他人でしかない親戚が口を出す」と受け取り、感情的にぎくしゃくしがちです。それは子どもにとっては「ほかの誰でもない自分たちだけの親」という占有意識をどうしても抱いてしまいがちだからです。

 死亡した本人の配偶者、子ども、きょうだい、というのはそれぞれ本人に対して独特の強い想いを抱きます。その想いが一致すればいいのですが、とかくくい違い、感情的なもつれを生む一因となります。

 質問への回答は、相手の立場を理解して充分に話し合う、以外にはありません。そして最後は誰かが我慢しなければまとまらないことも事実です。
 人の死、というのは、それほど近親者にとっては感情のひだに抵触する出来事なのです。感情がもつれるほど、家族のなかで死別のもつ感情は強いものがある、と考えるべきでしょう。

 諍いがある、というのは家族がいる、ということ。遺体を引き取る身寄りさえいない死者が年々増加していることがむしろ気がかりです。

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