葬送用語事典

ら〜ろ

らいはい(礼拝)

神仏の前で低頭し拝すること。同じ「礼拝」でもキリスト教(れいはい)と仏教では音も意味が異なる。「れいはい(礼拝)」参照。

りつれい(立礼)

立って礼すること。告別式における会葬者への遺族による答礼を立って行うこと。参照「答礼」。座っての礼は「座礼」と言う。

りょうけばか(両家墓)

家墓の変形で、承継者が既婚の女子で家名が異なった場合に、実家の家名の横に結婚後の家名を彫り、両家の墓として使用するもの。

りょうり(料理)

葬儀には料理はつきものである。通夜の時に料理を振る舞う習慣(通夜振る舞い)は各地に見られる。中には茶菓子程度とするところもあるが、一般には酒や食事が振る舞われる。通夜時の会食は、死者の前にご馳走を出して再生を願ったものと死者との最後の会食で食い別れ、あるいは、会葬者に振る舞うことにより死者に代わって善をなし死者の供養とするため、という意味があった。現代では、死者の関係者が飲食しながら死者の思い出話などしてゆっくり追悼する席という意味合いが強い。
 葬儀終了後の会食は精進落とし(精進上げ)、仕上げ、お斎(とき)、直会(なおらい)、忌中払い、忌中引などとよばれるが、本来は葬列出発時に行われていた死者との別れの食事、葬儀後のお手伝いへの慰労の席などが合体したと思われる。精進落とし(上げ)は本来は四十九日の忌明で行う精進料理を止め、肉食することが繰り上がった行事。お斎は一般に法要後の食事、直会は神道で祭事終了後にお神酒・供物を下げて行う宴会、忌中払いは忌中の死穢の祓いを飲食の力を借りて行うもの、の意。関東では清めということもあるが忌中払いと同義。死が伝染するものと考えられていた時代の、死の恐怖に対抗しようとして行われた行事である。現代では葬儀終了後の宴席は、遺族・親族・関係者および手伝ってくれた人への慰労の席の席という意味合いが強い。

りん(鈴)

仏前に置き、読経の時に打ち鳴らす小型の椀状の仏具

りんじゅう(臨終)

死に臨むこと。今は息を引き取ることと同義に使われるが、終末期を迎えた人を最後の息を引き取るまで看取ること。危篤時には近親者が病床に集い最後の対面をすること、息を引き取る様子を枕辺で見届けること、息を引き取った後にはひとりひとりが死者の唇に水を潤わせる末期の水(死水)をとり、死者と別れること、死者の身体を清めること、遺体を安置し枕飾りをし僧侶に枕経をあげてもらうこと、と死の前後のことをいう。

りんねてんしょう(輪廻転生)

衆生(いのちあるもの)は三界(欲界・色界しきかい・無色界)六道(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道)の世界を迷いの世界を生まれ変わり死に変わりはてしなく流れ行くとの古代インドの思想。この輪廻の生死(しょうじ)を絶ち迷い苦しみを捨て去ることが解脱。

るいか(誄歌)

神葬祭で死者の生前の功績を称え偲び哀悼を表する歌。 れいきゅうしゃ(霊柩車)

遺体を運ぶことを専用にした自動車のこと。病院から自宅への搬送に主として使用されるバン型(「寝台車」と通称)、式場から火葬場への搬送に用いられることを主とした用途の装飾を施した特殊仕様車である宮型と洋型、それにマイクロバスタイプで人と同乗するバス型とがある。参照「宮型霊柩車」「洋型霊柩車」。

れいじ(霊璽)

神葬祭で用いる。霊の依り代。木主(もくしゅ:木の札)に遺体から霊を移し留めるたもの。以後はこれを「御霊(みたま)」として大切にし、供え物をし、拝礼する。

れいじん(伶人)

神葬祭で雅楽を奏でる人。

れいぜんにっくのぎ(霊前日供の儀)

神葬祭で死後、霊前に毎日朝夕に饌(食べ物)を供えること。

れいはい(礼拝)

キリスト教の神の前での集会。仏教の法要に相当。仏教の礼拝は「らいはい」と読み仏前に低頭すること。

れんげ(蓮華)

明治中期に誕生。蓮の花をデザインした紙型に金色に彩色したものを金蓮(きんれん)、銀色に彩色したものを銀蓮(ぎんれん)と言う。その他、さまざまな色に彩色して用いられた。昭和期以降は祭壇に飾られた。仏堂にある金色の蓮華は金属製品で作られているが、葬具としての蓮華は原則紙製品である。

ろくちょう(六灯)

六道にちなむ。葬列を夜間に行った折りに先頭に立った提灯などの灯りを「ロクドウ」と言い、6つまたは浄土を加え7つ立った。これにちなみ、葬列がなくなり告別式となり祭壇が飾られたとき中央左右に3つ、3つの灯りが供えられ、これが「六灯」と言われる。

ろくどう(六道)

衆生(いのちあるもの)が輪廻転生する6つの世界(地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道)。葬儀には六道にちなんだものが多い。参照「輪廻転生」。

ろくもんせん(六文銭)

三途の川の渡し賃だとされ、死装束の仏衣では頭陀袋の中に紙製の六文銭が入れられる。「六道」にちなむ。参照「死装束」

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