■公的性格としての無宗教葬
今まで述べたのとはいささか性格を異にする無宗教葬がある。自治体などが主催して行われる葬儀の場合である。
これは政教分離の建前から、特定の宗教宗派によらないために選択されるものである。
これが影響して社会的意味あいの強い社葬や団体葬が無宗教形式で営まれることがある。個人葬では宗教儀礼を行っても、本葬では、会葬する人々がさまざまな宗教や心情をもっていることを考慮して、特定の宗教宗派による儀礼を行わないためである。
こういう無宗教葬もある。
今の状況は、葬儀を包んでいた宗教儀礼(特に仏教)の固い皮が薄くなり、少し綻びが見え始めたようなものである。
まだまだ宗教儀礼という皮が覆っている部分が多い。だが、薄くなってきていることも事実である。
広告