ブックガイド

「葬送入門」に関する本

■藤井正雄『仏事の基礎知識』 講談社、1985★

 この本は一般向けに書かれた本であるが、第一級の宗教学者・宗教民俗学者であり葬送文化に指導的役割を果している著者の手になるもので内容が信頼できることは言うまでもない。平易で実用的であるため最初に読むものとしてはこれに優るものはない。

 日常の礼拝の基本作法/いろいろな仏教行事/仏壇と本尊の祀り方/お墓の知識と心得(お墓とは/墓地の選定と契約/お墓の建て方)/通夜・葬儀のしきたりとマナー(葬儀の意味/臨終と納棺/葬儀のいろいろな手続き/通夜/葬儀と告別式/葬儀後のいろいろ)/供養と法事の営み方/日本宗派仏教のすべて

■成瀬良徳『仏事と葬儀ものしり事典』 新人物往来社、1992

 この本も一般向けのものとして書かれた。葬送民俗についても基本的な知識を得ることができる。

 序─生死観の民俗史/仏事とその心得/葬儀/通夜・葬儀の準備/法事


■横山潔監修『あわてないための葬儀の手帳』 小学館、1989

 本誌連載中の「そうさい教室」の著者の手になる一般向けの実用書。消費者の立場になって著したもので、懇切丁寧な内容となっている。最低この本の内容はマスターしていないと葬儀を仕事としてはやっていけないし、やってはいけないというもの。基本中の基本をなすもの。

 まちがいのない葬儀の進め方(臨終と葬儀の手配/通夜/葬儀と告別式/火葬から納骨まで/法要・お墓)/恥をかかないための弔問マナー(通夜/告別式)

■藤井正雄『お墓のすべてがわかる本』 プレジデント社、1991★

 専門書を意図しないものであるから平易な記述となっている。質は高度であり、墓についての歴史から諸外国の事情、墓地問題が現在抱える問題までが第一人者の手になるものならではの総合的知識が得られる。

 お墓の知識(お墓とは/お墓の歴史1/火葬と土葬の結合/お墓の歴史2/お墓の世相史/墓制とお墓の受けとめ方)/墓相とは何か/お墓を造るには/諸外国の墓地事情(ヨーロッパ/アメリカ/南アメリカ/アジア)/墓地問題の現状と将来(都市と墓地/家族関係の変化/お墓の慰霊形態の変化/墓意識の変化と将来)/お墓に関するQ&A/付録(墓地用語一覧/墓地に関する法令/墓地行政の今後の在り方などついて/東京都霊園問題調査会答申の内容/新しい霊園と慰霊のタイプ)

■森謙二監修『自分らしい最期を決めておく本─人まかせにしないお葬式・お墓の準備─』 PHP研究所、1995

 近年の葬送の見直しの動きを反映した新しい消費者向けの葬儀ガイダンス。

自分らしい葬儀・お墓を考える/現代の葬儀のきまりと事情/新しい葬儀のやり方と実例/お墓の基本と建て方/新しいお墓の形態と実例

■井上治代『いま葬儀・お墓が変わる』 三省堂、1993

 『現代お墓事情』で注目を浴びたノンフィクション作家である著者が「葬送の自由」「死後の自立」をキーワードに展開する。
 新しい動きも知って対応するのでなければこれからの葬儀はできない。今起こっている葬送に対する人々の意識の変化がどのようなものであるかを知るには必読書である。

 ドキュメント〈私なりの葬送〉/いま、葬送分野に何が起こっているのか?─葬送の転換期/葬儀編/お墓編

■碑文谷創『「お葬式」の学び方』 講談社、1994

 タイトルから実用書かと想像されるかもしれないが、帯に「生と死の人間社会学」とあるように、社会および社会意識の変化する中で死の受けとめ方、葬儀のあり方を問うたもの。

 S君の死─極私的葬儀体験/死と葬儀についての意識/葬儀の意味を考える/グリーフワーク/現代葬儀事情/葬儀の実際─その流れと消費の実態/変わりゆく葬儀

■碑文谷創『葬儀概論』 表現社、1996★

 入門書ではない。教科書的に記述しているが内容はハード。日本の葬儀について最初に書かれた本格的な概説書。
「特に葬祭業に従事する人が勉強する立場での総合的書物をとの要望の下に」
 という意図でまとめたものであるが、近年の学問成果、新しい時代意識を反映してまとめたもので、本格的に専門的に葬送について学ぼうとする者にはかっこうの入門書となっているはずである。

 葬儀の意味/葬儀の歴史/死とその環境/葬儀の実際/葬儀の知識/社葬・団体葬/日本の宗教の概要/宗教儀礼/葬祭ディレクター/関連法規とその解説

■東京都生活文化局『わたしたちのデザイン─葬送─』 東京都、1997★

 市販本ではないが、行政が最初に葬送(葬儀、墓)について消費者向けにまとめたもの。データも豊富で内容も広範にわたっている。入門書として最適。

 葬送の変化/葬送のプロセス/葬儀と費用/葬送と法律/チェックシート/葬儀に関する情報バンク

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