行方不明者数はわからない

4月5日の18時45分のNHKのニュースが次のように報じたのは2日前だ。だが、どうにも書けなかった。2日遅れだが。

東日本大震災の行方不明者について、警察庁は、現時点で1万5000人余りと発表していますが、役場自体が大きな被害を受けるなどした宮城県の南三陸町など5つの市と町については、現時点でも行方不明者の人数をまったく集計できていないことが分かりました。今後、集計が進むと行方不明者の数はさらに増えるおそれがあります。

今回の大震災で警察庁が発表している行方不明者は、5日午後4時の時点で、6つの県で1万5000人余りに上っています。しかし、宮城県の仙台市、東松島市、南三陸町、山元町、それに岩手県の山田町の合わせて5つの市と町については、大地震から3週間以上たった今でも行方不明者の人数を全く集計できていないことが分かりました。これらの市と町では、現地の警察署は行方不明者の届け出を受けていますが、役場が届け出があった人の住所を確認できていないことから、行方不明者として集計できていないということです。このうち、南三陸町では津波で役場が全壊しましたが、住民基本台帳のデータが復元できたことから避難している人との照合を進めていますが、町の人口の半分以上が避難生活を送っているなどから集計に時間がかかっているということです。また、仙台市では、行方不明者について家族などからの届け出が重複していないか調査中だということです。警察庁は、各警察本部にできるだけ早く行方不明者の数を把握して報告するよう求めていて、今後、集計が進むと行方不明者の数はさらに増えるおそれがあります。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110405/t10015119281000.html

きょう7日の18時のニュースでは、山田町が行方不明者は285名と発表したが、これも「人口200人近くの2か所の行政地区で、まだデータが集まっていないとして、最終的な行方不明者の数は、さらに増える可能性もあるとしています」と報じられている。

警察庁の発表では、
http://www.npa.go.jp/archive/keibi/biki/higaijokyo.pdf
に最新のデータが記載されているのだが、
4月7日18時発表では、死者12,690人、行方不明者が14,736人となっている。
但し、「未確認情報を含む」と注釈付きである。

福島第1原子力発電所の20キロ圏内にも1千名を超す遺体が取り残されていて、地元では危惧されている。
それまで相馬市で福島県対策本部の要請で遺体搬送に携わった人は「いたたまれない」と言っている。
それを電話で聞き、私もいたたまれない。

多くの人が「涙もろく」なっている。

現地にいて、現場で日々活動している人たちがいる。
震災後●日という言葉が聞かれるが、少なくとも「当分」は「終わりがない」人たちがいることを思う。

歴史を書いていて、震災前は、「869年、三陸沖地震・津波、M8.0~8.6、死者1千人。日本史上最大の地震?」と書いたが、「2011年3月11日のM9.0を記録した東日本大震災前は、日本史上最大の地震と言われ、今回の東日本大震災と同じ震源域と思われる。それと比較して今回が『1千年に1度』と言われる」と記述を改めた。
歴史を書いているつもりが現在を書いている。

ほとんど自分の診立てでは回復したはずだったが、どうもウツが再発してきたようだ。同じような人がたくさんいるだろう。

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/