ご心配に感謝

先回の休刊、事務所閉鎖のご報告に対して、多くの方々からご心配のメールやお電話をいただきました。
ありがとうございます。

ご心配いただいている「からだ」については元気にしております。
(相変わらずの薬漬けではありますが)

先日、ご迷惑をおかけした印刷会社にお詫びにうかがいました。
事務所創設以来、変わることなくお世話になった会社です。
歴代3人の担当者にお世話になりました。
印刷経費のもっと安い会社はあったでしょうが、雑誌というのは印刷との深い連携が必要です。
担当者のこれまでの尽力に感謝し、最後にご迷惑をおかけし慚愧の限りです。

雑誌の果たしていた役割は今後どのように担われるのか、というご心配を特に研究者の方からいただきました。
私にはもうできません。
但し、儲かる仕事ではないので、雑誌という形態にこだわらず、志ある人々からの寄金で基金をつくり、若手の人たち中心にやっていただくことを頭に描いています。
いずれその橋渡しができればいいな、と考えています。

企業である以上、破綻しては「失敗」の烙印を押されても抗弁しようがありません。
だが、この間、破綻を先延ばしながら、情報発信し続けた意味はあると考えています。
少なくとも私は情報発信を限界まで続ける選択をしました。
そしてどうしようもなくなり、破綻するに至りました。

「儲ける話」は掲載してきませんでしたが、今どういう状況にあり、どういう問題を抱えているのか、については、皆さんの判断資料となるものについては、客観的な情報を提供し続けたと多少は自負しています。
儲けることが不得意な人間が儲け話をすること自体が悲喜劇なので避けましたが、というより私には見えませんでしたので取り組むことができませんでした。
長期的に考えるならば今葬送業界で必要なのは消費者からのイメージを変える倫理宣言であろうし、そのためにはいくばくかのことができたであろうと思います。
次代を担ってくれるであろう人たちもたくさん輩出しているので、私は希望をもって次代に委ねることができます。

若い人たちが心配して発言の場を提供してくれるよう動いているので、少しづつ発言を継続していきたいと思っています。
皆さんの動向はフェイスブックでは見させていただきますが、自らはむしろこのブログで地道に発言していきたいと思っています。
会社のホームページは今のところ、少なくとも年内は見られる状態にありますので、過去の私の発言は参照いただけます。

事務所は閉鎖し、駐車場も返却しましたが、まだ残務整理が続いています。
最後まで責任をもって撤退戦をやる覚悟でいます。
会社を終わらせることが、かくも多くの方々にご迷惑をおかけし、精神的のみならずあらゆる力を削いでいくものかを実感しています。
すべての方々にお返事しかねますので、ここで謝意を表させていただきます。

私の身の振り方は未明です。
私自身がまったく見えません。
継続を必要とされる仕事は継続したいと思っていますが、皆さんの意思次第です。
でも年齢も考え合わせれば困難と判断されることも当然でしょう。
逆風も吹き荒れています。
今やるべきことを私としてはやるだけです。
いかなる状況でも「表現者」であり続けたい、もちろん知力、精神力、体力がある限りですが。
このことはブログを見て心配してくれた旧友に念を押されました。

新聞報道によると「老齢」の時期と考えられているのは70歳が最も多いとのこと。
その老いにどう寄り添っていくのかも極めて個人的ながら大きな課題です。
自信をもって今後も「やれる」とは断言できません。

まずは取り急ぎのお礼まで

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/

「ご心配に感謝」への1件のフィードバック

  1. 初めて書き込みいたします。
    昨年11月に実父を病気で亡くしました。
    入院期間1ヵ月、その直前までとても元気でしたし、周囲の方々からは「年齢的にも早すぎる」との言葉を頂きました。
    遺言など何もなく、父ならこんな風にしてもらいたいのではないか?と想像しながら、長女として弟と2人で葬儀を取りまとめ、先日49日を終えたところです。
    葬儀や宗教のことを調べているうちに、こちらのホームページに辿り着きました。碑文谷さんのお言葉を読んでいるうちに、自然と涙がこぼれていました。心が張りつめていたのは自分でも分かっていましたから。
    残念ながら出版事業を畳まれた後のようですが、今後もブログ並びにホームページの文章も閲覧できることを望んでおります。
    末筆になりましたが季節折柄、どうぞご自愛ください。

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