四畳半からの報告20180130

IFSA(日本遺体衛生保全協会=エンバーミングの組織)から『エンバーミング技術』3号が出た。

143201801072__1_5

目次
143201801072__4_3

日本のエンバーマーたちの技術進化はめざましく、先進国の北米とも遜色ないレベルになっている。

今回の3号は橋詰知子さん(スーパーバイザー、燦ホールディングスグループ公益社)が座長となってまとめたもの。
馬塲、佐藤(貴)、関、橋詰さんが創刊号からの編集委員。
監修は高篠智(杏林大医学部講師)、宇屋貴(スーパーバイザー)さん

私は創刊号以来の最後の尻たたき役で制作を完成する役。
こういう若い人たちと一緒にする仕事は楽しかった。

1000円+郵送料
事務局は
〒254‐0013神奈川県平塚市田村9-9-16
電話0463-52-0544
メール:formail@embalming.jp
ホームページ:http://www.embalming.jp/

 

こうした仕事もしている。

昨晩、白河の青木かおるさんから電話があり衝撃を受けた。

全葬連会長、公益社(京都)会長、葬祭ディレクター技能審査協会会長の
松井昭憲さん(75)が急逝された。
今朝、京都公益社の松井さんと同級生で営業本部長の加藤さんに電話してうかがったところによると
死亡は19日、24日には密葬を近親者で済ませ、2月15日13時から京都駅近くの公益社南ブライトホールにて社葬が行われるとのこと。
文字通りの急逝。
深夜に浴室で倒れ、救急車で搬送し、搬送先の病院で息を引き取られたとのこと。

松井さんとは先代で全葬連2代目会長を務めた松井信史朗さんからの付き合い。
雑誌を創刊した当時、先代が全葬連の役員に私を紹介してくださった。

昭憲さんは私の4つ上。
全葬連教育研修委員長の時、中央にあまり出て来られない所属員のために地方でセミナーをやる、というので当時燦ホールディングスの社長であった吉田武さんと私が組んで地方行脚したのはよく覚えている。

全葬連会長になって以降、「勉強したい」というので上京された折に、しばしば品川駅近くのホテルで「家庭教師」を務めさせていただいた。
京都公益社の社員研修等で話をさせていただいたこともある。

全葬連と全日本仏教会では今でも定期的に意見交換を行っているが、松井さんが会長になってからのこと。
仏教会と葬祭業界が話もしたことがないのはおかしい、というので初回は私が仲立ちをさせてもらった。

葬祭業界の国際組織であるFIAT‐IFTA(国際葬儀連盟)の副会長で、今年会長に就任が内定していた。
就任演説の原稿を依頼され、昨年すでに渡していたが、読まれることはなくなった。

さまざまな評価はあるだろう。
だが、私は個人的に親しくさせていただいたことを深く恩義に感じている。
一昨年の私の雑誌休刊、事務所閉鎖でも、変わらぬ付き合いをさせていただいた数少ない一人であった。
Matsuishuusei_2

京都新聞の訃報はhttp://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20180129000144

公益社会長の松井昭憲氏(まつい・あきのり)が19日午前1時15分、急性心筋梗塞のため京都市内の病院で死去した。75歳。京都市出身。近親者で密葬を行った。社葬は2月15日午後1時から京都市南区西九条池ノ内町60、公益社・南ブライトホールで開く。葬儀委員長は京都銀行頭取の土井伸宏氏。喪主は長男雄(ゆう)氏。

 2004年から全日本葬祭業協同組合連合会長を務めた。

個人的なことで言えば
昨年末に母方の叔母(母の弟の妻)が亡くなった。
これで親の世代が全員死んだ。
といっても子世代でも従妹が62歳で、姉が72歳で死んでいる。
生命は順番どおりとは限らない。

私も姉の死んだ歳に並んだ。
いつ死んでもおかしくない歳であるし、自覚はあるのだが、元気であるため長命しそうなのが不安である。
「死ぬことが怖い」
というが、幾多の友人、身内の死を経験することで、それはない。

いのちの価値はけっして長さではない。
また、自分のことを考えても、若い時に書いたものを今書けと言われてもできない。
今が「成熟」というわけではない。
歳を重ねての成長もあるし、退化もある。
その時、その時の価値があるのだと思う。
また、過ぎ去ったことは後悔しても戻れない。

また、いのちの長短は自分ではけっして選べない。

話は変わるが、昨秋に新潟妙光寺の住職交代での記念誌
『角田山妙光寺法燈継承式記念誌 妙光寺のこれまで、そして、これから』
を編集させていただいた。
さんざん皆であーでもない、こーでもない、と打ち合わせを重ね、寺の全体像をどう伝えたらいいかを議論して作った。
寺に関係する人が自分の関心のあるところから、どこからでも読めて、負担なく読める、ということを一義的に考えて編んだ。
また、若い世代の僧侶たちに読んでもらいたい、と願って編んだ。
地方の過疎地にあるけっして豊かとはいえない寺がどう歩んできたか、檀家の人たちの暮らしにどう寄り添ったか、写真1枚1枚にこだわって編んだ。
永代供養墓の先駆者という派手な面だけではなく、地味な歩みも知ってほしかった。

この記念誌を毎日新聞の昨日(2018年1月29日)朝刊コラム「身じまい練習帳」で滝野記者が取り上げてくれた。
滝野記者のFacebookにはその前後のことも含めて書いてある。
https://www.facebook.com/takahiro.takino.3?fref=hovercard&hc_location=friends_tab

若い世代の僧侶たちに読んでほしい。
入手は可能だ。
価格はついていないが、1冊あたり実費だけで2千円はかかっている、ということは頭に入れて郵送費込みで寺に申し込んでほしい。
といっても残部がたくさんあるわけではない。
真に読みたい人だけが申し込んでもらえば、と思う。
http://www.myoukouji.or.jp/about/index.html
もっともわけてくれるかを私が保証するものではない。

広告

投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/