緊急事態宣言延長で見えてきた二次ステージ 新型コロナウイルス感染症と葬儀⑪

■COVID-19の感染拡大経緯

2019年11月新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は中国武漢で発生。
2019年12月末にWHOへ最初の報告。
2020年1月、タイ、日本、韓国、台湾、米国、マカオ、香港、シンガポール、ベトナム、ネパール、フランス、オーストラリア、カンボジア、スリランカ、ドイツ、カナダ、アラブ首長国連邦、フィンランド、中国全土、フィリピン、インド、イタリア、ロシア、スウェーデン、イギリス、スペインで感染者確認。以降世界各国で感染者を確認相次ぐ。
2020年1月27日 日本 指定感染症に指定。
2020年1月31日 WHOが非常事態を宣言
2020年2月1日ダイヤモンド・プリンセス号から香港で下船した香港人の感染が確認。
2020年2月5日 横浜港停泊のダイヤモンド・プリンセス号で船内感染者の確認、集団感染。
2020年2月11日 中国本土の死亡者1,000人を超す。
2020年2月27日 安部首相が3月2日から春休み終了までの小中高、支援学級の休校要請
2020年2月28日 北海道が非常事態宣言
2020年2月29日 イタリアで感染者1,000人を超す。
2020年3月13日 日本「特措法=新型インフルエンザ等対策特別措置法=改正」
2020年3月19日 イタリアの死亡者数が中国を上回り世界最多に。
2020年4月7日 日本非常事態宣言
2020年4月11日 アメリカの死亡者数が中国、イタリアを上回り世界最多に。
2020年5月6日12時更新
(世界)感染者3,662,691人、死亡257,239人。
(日本)感染者15,374人(+121人)、死亡566人(+10人)
    内重症者309人、退院4,587人(クルーズ船除く)
※世界のデータはジョンズ・ホプキンズ大学集計。日本は6日10時半NHK集計

■緊急事態宣言の延長

以下の資料を参考にした。
・2020年5月4日新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(新型コロナウイルス感染症対策本部)
https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/kihon_h_0504.pdf
・2020年5月4日「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000627553.pdf

①7都道府県に緊急事態宣言(4月7日~5月6日)
緊急事態宣言(特措法=新型インフルエンザ等対策特別措置法=改正にもとづく)は、4月7日から5月6日まで埼玉県、千葉県、 東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県及び福岡県を実施区域としてなされた。

②6道府県を追加し、それ以外の県も対象に(4月16日~5月6日)
その後4月16日に上記7都道府県に加えて北海道、茨城県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府を緊急事態措置実施すべき区域に加えた。それ以外の県においても都市部か らの人の移動等によりクラスターが各地で発生し、感染が拡大傾向に見ら れることなどから、人の移動を最小化する観点等より、全都道府県を緊急事態措置の対象とすることとした。これらの区域において緊急事態措置を実施すべき期間は、令和2年4月16日から令和2年5月6日までとした。

③緊急事態宣言の延長(5月4日~5月31日)
「市民の行動変容が成果を上げ、全国的に新規感染者数は減少傾向にあることが推測できる。しかし、未だ、かなりの数の新規感染者数を認めており、現在の水準は、新規感染者数が増加しはじめた 3 月上旬やオーバーシュートの兆候を見せ始めた 3月中旬前後の新規感染者数の水準までは下回っていない状況である。したがって、しばらくは、新規感染者数の減少傾向を維持させることを通じて、今後の感染拡大が当面起こり難い程度にまで、取組を継続することの必要性がある。新規感染者数等は着実に減少に転じつつあると判断されるが、 ①収束のスピードが期待されたほどではないこと、②地域や全国で再度感染が拡大すれば、医療提供体制への更なる負荷が生じる恐れがあることから、当面、現在の緊急事態宣言下での枠組みを維持することが望ましい」ことから緊急事態宣言を5月31日まで延長。

③-1「特定警戒都道府県」と「その他の県」に分けた対応
「特定警戒都道府県」(東京都及び大阪府、北海道、茨城県、埼玉 県、千葉県、神奈川県、石川県、岐阜県、愛知県、京都府、兵庫県、福岡県の13都道府県)と「それ以外の県」では、感染の状況等が異なることから、
「特定警戒都道府県」においては、引き続き、「これまでと同様の取組」が必要である、とした。
「それ以外の県」においては、県下における感染の状況を踏まえつつ、「三つの密」の回避を中心とした、「より社会経済活動の維持との両立に配慮した取組に段階的に移行していくこと」とした。
緊急事態宣言は全都道府県で5月31日まで延長されたが、「特定警戒都道府県」と「その他の県」では明らかに取り組みが異なる。
「現状認識」としては「これまで、繁華街の接待を伴う飲食店、ライブハウス、スポーツジムにおいて感染者が確認されてきたが、現在では医療機関及び福祉施設等での集団感染が増加している状況であり、限定的に日常生活の中での感染のリスクが生じてきているものの、広く市中で感染が拡大しているわけではないと考えられる。」

③-2特定警戒都道府県で緩和されるもの
特定警戒都道府県においても緩和されるものがある。
「施設の使用制限の要請等を検討するにあたっては、これまで の対策に係る施設の種別ごとの効果やリスクの態様、対策が長く続くことによる社会経済や住民の生活・健康等への影響について留意し、地域におけるまん延状況等に応じて、各都道府県知事が適切に判断するものとする。例えば、博物館、美術館、図書館などについては、住民の健康的な生活を維持するため、感染リスクも踏まえた上で、人が密集しないことなど感染防止策を講じることを前提に開放することなどが考えられる。また、屋外公園を閉鎖している場合にも、同様に 対応していくことが考えられる。

③-3「その他の県」における変化
「その他の県」においては「地域の感染状況や医療提供体制の確保状況等を踏まえながら、段階的に社会経済の活動レベルを上げていくこと」が期待されている。
「未だ全国の新規報告数は 200 人程度の水準となっていることや医療 提供体制の負荷に対応する必要はあるものの、新規報告数が減少傾向に転じていること等に鑑み、まん延防止策を講じるにあたっては、より社会経済活動の維持との両立に配慮した取組」に移行していく。

・まん延の状況は地域によって異なることから、各都道府県知事が適切に判断する必要があること。その際、人の移動があることから、隣県など社会経済的につながりのある地域のまん延状況に留する必要があること。
・段階的に社会経済の活動レベルを上げるとしても、全ての住民、事業者において、感染拡大を予防する『新しい生活様式』を定着させる必要があること。
・「感染防止策を講じた上での比較的少人数のイベ ント等については、適切に対応」する。ただし、リスクの態様に十分留意すること。

また、仮に、再度、感染の拡大が認められ た場合には、厳しい行動変容の要請を行う必要があること。」


「新しい生活様式」
「新規感染者数が限定的となり、対策の強度を一定程度緩められるようになった地域(以下「新規感染者数が限定的となった地域」という。)であっても、再度感染が拡大する可能性があり、長丁場に備え、感染拡大を予防する新しい生活様式に移行していく必要がある
「新型コロナウイルスの出現に伴い、飛沫感染や接触感染、さらには近距離での会話への対策をこれまで以上に取り入れた生活様式を実践していく必要がある。これは、従来の生活では考慮しなかったような場においても感染予防のために行うもの」「新型コロナウイルス感染症は、無症状や軽症の人であっても、他の人に感染を広げる例がある。新型コロナウイルス感染症対策には、自らを感染から守るだけでなく、自らが周囲に感染を拡大させないことが不可欠である。そのためには一人ひとりの心がけが何より重要である。具体的には、人と身体的距離をとることによる接触を減らすこと、マスクをすること、手洗いをすることが重要」である。
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/view/detail/detail_08.html

③-4「その他の県」で引き続き要請されるもの
「その他の県」においても引き続き要請されるのは以下の通り。
①室内で「三つの密」を避ける。特に、日常生活及び職場において、人混みや近距離での会話、多数の者が集まり室内において大きな声を出すことや歌うこと、呼気が激しくなるような運動を行うことを避けるように強く促す。飲食店等においても「三つの密」のある場面は避けること。
②従業員及び学生の健康管理や感染対策の徹底についての周知。
③家族以外の多人数での会食を避けること。
④不要不急の帰省や旅行など都道府県をまたいだ移動の自粛等や商店への殺到の回避及び買い占めの防止。
⑤帰国者への適切な情報提供を行い、渡航の是非の判断・確認や、帰国者に対する2週間の外出自粛の要請等。
⑥現にクラスターが多数発生している、繁華街の接待を伴う飲食店等については、年齢等を問わず、外出を自粛するよう促す。
⑦クラスターが発生するおそれがある催物(イベント等)や「三つの密」のある集まりについては、開催の自粛の要請等を行うものとする。特に、全国的かつ大規模な催物等の開催については、リスクへの対応が整わない場合は中止又は延期するよう、主催者に慎重な対応を求める。
⑧引き続き、在宅勤務(テレワーク)を推進するとともに、職場に出勤 する場合でも、時差出勤、自転車通勤等の人との接触を低減する取組を 推進すること。
⑨職場においては、感染防止のための取組(手洗いや手指消毒、咳エチケット、職員同士の距離確保、事業場の換気励行、複数人が触る箇所の消毒、発熱等の症状が見られる従業員の出勤自粛、出張による 業員の移動を減らすためのテレビ会議の活用等)を促すとともに、「三つの密」を避ける行動を徹底するよう促すこと。

■葬儀関係への影響
①葬儀関係事業は「国民生活の安定確保に不可欠な事業」
緊急事態宣言においても「国民の安定的な生活の確保」に関するものとして「⑧ 冠婚葬祭業関係(火葬の実施や遺体の死後処置に係る事業者等)」が指定されており、そもそも自粛等の対象から除外されている。
「国民生活・国民経済の安定確保に不可欠な業務を行う事業者は、国民生活及び国民経済安定のため、事業の継続を図る。」

②通夜・葬儀がクラスター発生例として注意喚起
専門家会議ではクラスター発生例として「通夜・葬儀の場」が例示されており、引き続き注意喚起を求めている。
「なお、これまで、医療福祉関係施設を除けば、接待を伴う夜間の飲食店や居酒屋において、多くのクラスター(集団感染)が発生したことが分かっている。また、屋内運動施設(フィットネスジム等)やライブハウスでクラスターが発生した場合に 感染者数が多い傾向がある。このほか、カラオケ・合唱関係の場や通夜・葬儀の場などがクラスターとなったことについて、十分な留意と周知が必要である。 」(専門家会議)

③「新しい生活様式」で注意喚起
『新しい生活様式』においては「冠婚葬祭などの親族行事」が取り上げられ
「多人数での会食は避けて」「発熱や風邪の症状の場合は参加しないで」と注意を喚起。

13都道府県の「特別警戒都道府県」と「その他の県」で対応が分かれたが、「その他の県」の対応が1~2年続くであろう長期対応の二次ステージとなるだろう。

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/

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