姉の最期の記録

このブログにたびたび書いてきたが、がんの終末期にあった姉が死亡した。その直前のいとこへの通知から、各所への報告とお礼、と私が記したものを掲載する。 ①危篤に際してのいとこたちへの通知 ご無沙汰しております。 叔母さまが施設の方へ入られたとうかがってますが、その後いかがでしょうか? 本日は、姉・祐子のことで報告いたします。 昨年5月に大腸がんで、肝臓にも、リンパにも転移していてstage4であることを宣告され、その後、腸閉塞で入院等してまいました。 4月に入り、入浴等でも介助が必要となり、数回目の入院をして... 続きを読む

「迷惑な死」を宣伝するな

サクラが満開である。 花見をしたわけではないが、車で走ると目に入ってくる。 これが私のいつもの花見である。 数日前にはまだ2分咲きだったが、満開への展開があまりに早い。 今年のサクラ、人生になぞなえるにはあまりに速すぎる。 終末期にある姉がしだいに、確実に弱ってきているようだ。 病院の看護師が「最後の花見」に連れ出してくれたようだ。 午前中の花見だったようだが、午後にはその疲れでひーひー言っていたという。 最後の花見がよかったのか、それをしなければもう少し安穏な午後を過ごせたのか、難しい。 花見は本人の... 続きを読む

臨済宗の戦争協力への懺悔

青木新門さんの『それからの納棺夫日記』の発売日は2月15日らしいが、もう増刷がかかったという。新門さんも心配していたが、僧侶をあれだけ批判しておいて、その反発はないだろうか、と私も思ったが、新門さんの周囲にいらっしゃる僧侶の方々はよくできている。反発よりも同意する意見が多かったようだ。 「仏教タイムス』紙の1月30日号の巻頭は「歴史に学ぶ仏教と平和」と題する臨済宗妙心寺派管長の河野太通師の談話であった。 「平和活動の原点は何かとよく聞かれます。やはり戦争体験が大きい。結論から言うと、日本が戦争に突入する以... 続きを読む

青木新門『それからの納棺夫日記』を読んだ

尊敬する先輩(ほぼ10年、年長である)青木新門さんの『それからの納棺夫日記』(法蔵館)が2月10日発売となる。 おそらく新門さんの原稿を毎号雑誌に掲載させていただいている縁で、発売日前に新門さん直々の清冽な文字で送っていただけた。 この本ができるまでに数年を要したことを知る者としては早速、謹んで読ませていただいた。 全体の構成はこうだ。 序 『納棺夫日記』と映画『おくりびと』 第1章 死の現場での体験 第2章 死ぬとはどういうことか 第3章 死者たちに導かれて 第4章 いのちのバトンタッチ 序では、原作者... 続きを読む

監察医務院のデータが使いにくい

朝日新聞が12月30日「孤独死」の問題を大きく取り上げていた。 新宿区の「戸山ハイツ」で頻出する「一人暮らしの人の死」のことである。記者が東京都監察医務院の「一人暮らしの人が自宅で死亡し、死因がはっきりしないケース」という定義を紹介していた。 監察医務院のデータでは東京都23区に限定しての数字だが、2003年(10年前)には、そうした孤独死が男女合わせて3千人未満だったが、12年のデータでは男性3,057人、女性1,415人の計4,472人(この合計数は記事にはなかった)で約1.5倍に増えている、と紹介し... 続きを読む