友人の死

昨日電話があり、友人の池上君が息を引き取ったという。
最後の仕事にとりかかって夢中の時の電話だったので、その時は現実感がなかった。

きょう朝、原稿を印刷に渡すと訃報がファックスで送られてきた。
同い年と思っていたが2つ下の59歳だった。

彼とは92年頃に知り合い、94年くらいから急速に親しくなった。
よく一緒に飲みに行ったものだ。
カラオケが好きでマイクを離さなかった。
私はカラオケが苦手で普段はやらないのだが、彼と一緒の時だけは歌った。

彼ががんに罹ったのは7年くらい前だったろうか。
その後、彼は酒をやめた。
すっかり痩せ、日常動作も辛そうだったが、会議には時折顔を出していた。
話によると4回手術を繰り返し、5回目はないよと医者に言われていたらしい。

がんに罹った後は達観した様子になったように思う。
思い悩んでも仕方がない、と思って日一日を過ごすという態度だった。
そういう彼を見ていたから、突然の訃報にもびっくりしなかったのかもしれない。

明日8日が通夜、明後日9日が彼の地元である春日部で葬儀とのこと。
9日と10日は盛岡に行くので、明日の通夜に顔を出すつもりだ。

きょうとりあえず弔電を打ち、生花の手配を頼んだ。

何か死というのは粛々と進行するところがある。
最近は側にいなかったから余計そう感じるのだろう。

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/