橋爪君のこと

昨日、橋爪謙一郎君夫妻が事務所に来てくれました。
橋爪君、東京12チャンネルで放送中の「死化粧師」
http://www.tv-tokyo.co.jp/shigeshoshi/
の収録が終わった（放送はまだ残っています）ということで、ちょっと一仕事を終えたという感じです。
彼は原作のマンガの制作にも関与していたとのこと。
日本にエンバーミングを適切に普及させたいということで、少ない（ビックリする具合！）報酬で係りました。

彼との付き合いは長いです。
かつて事務所が神宮前にあった時、電話かメールか忘れましたが、在米中の彼が日本のエンバーミング事情について知りたいということで連絡を取ってきたことが最初でした。

何度かメールを交換した後、
「いまの在米経験を原稿にしないか？」
と私がもちかけ、以来、帰国後いまに至るまで、彼の雑誌「ＳＯＧＩ」への連載は続いています。
現在は「グリーフ」（死別の悲嘆）について書いてもらっています。

帰国後、さらに関係は濃くなり、エンバーミングの協会であるイフサ
http://www.embalming.jp/
の運営ではなくてはならないパートナーです。

日本人エンバーマーの養成は彼を中心に、最初から行っています。
いま活躍している日本人エンバーマーは皆彼の弟子です。

彼はエンバーミングを修めた後、米国の大学院でグリーフについて学びましたが、エンバーミングをグリーフサポートの観点で位置づける視点は有効ですし、教えられることが多いです。

彼はジーエスアイという会社を自分で作っています。
http://www.griefsupport.co.jp/
このホームページを見ると、彼の誠実な姿勢がよくわかります。

エンバーミングは日本では年間１５，０００件を超えて行われています。
といっても日本人の年間死亡者の２％に達していません。
施設数は約２５ですから、まだまだです。
もっとも施設を設けた企業では葬儀施行数の３～7割実施していますので、需要は確実にあります。
88年に開始されてからまだ20年の歴史で、当初はいろいろな問題もありましたから普及が遅れました。

94年に自主基準をつくりイフサが発足、それが事実上の出発点となりました。
以来、３つの大きな問題点が解決されました。
①法的な合法性　昨年、「自主基準に則って行われる限り、違法性はない」という裁判所の判決が確定しました。（つまりいい加減に行っていいというわけではありません）
②米国、カナダのエンバーマーに当初は依頼していたが、日本人エンバーマーの養成が行われ、ＩＦＳＡ認定の日本人エンバーマーの供給が可能となりました。
③施設の費用が当初は6千万円以上かかりましたが、2千万円程度と低減することができました。

環境は整ったと言えるでしょう。

もちろん、エンバーミングをするしないは本人あるいは遺族が決定することです。選ぶ自由もあれば、選ばない自由も尊重されるべきです。
しかし、現状では施設数が少なく、「エンバーミングをする自由」がほとんどの遺族に与えられていないのが実情です。

そこで橋爪君のジーエスアイがこの度、「エンバーミング説明会～ご遺族にとってのエンバーミング～」というセミナーを開催します。

同じ内容で２回行われますので、どちらかご都合のいい日時にご参加くださるといいでしょう。定員制（30名）なので事前にジーエスアイにお申込ください。
申込：ファックス０３－５６４１－５４６７
問い合せ：info@griefsupport.co.jp   電話０３－５６４１－５４６６
対象はエンバーミングを事業化することに関心のある葬祭関連企業ですが。

11月25日（日）１５：３０～　または　
12月1日（土）１６：３０～
場所は同社のオフィス東京事務所です。

概要は
①エンバーミングの基礎知識
②エンバーミングをご遺族にどう説明するか
③グリーフサポートとエンバーミング
④質疑応答

時間は90分の説明の後、質疑応答ですから2時間程度でしょうか。

橋爪君の説明はとてもわかりやすいです。

彼の実家は北海道千歳市の葬儀社、お父さんも健在で、一度彼が不在のときにうかがったのですが、家族全員が「ケンチャン、ケンチャン」と言って彼を愛しています。
お父さんとは年に数回お会いしますが、目に入れても痛くない様子。
その期待にケンチャンも一生懸命応えようと努力しています。

東京でエンバーミングを施したいと考える方がいましたらジーエスアイにお問い合わせください。素敵な若いエンバーマーがご要望に応えてくれるでしょう。

こうした若い有用な人材が今後活躍してくれることを切に願っています。