秋を感じて

最初にご案内
ホームページを更新している。
https://hajime-himonya.com/
この中に「変わりつつある葬儀の課題」を書いている(「評論」)。
いまの全体像を知っていただくにはいいだろう。少し長いが読んでいただければうれしい。
また、日経BP連載も2週に1回のペースで書いている。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/manabi/ceremony/index.html

昔の友人が映画の券をもってきた。
かつて赤坂小梅という芸者歌手がいた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B5%A4%E5%9D%82%E5%B0%8F%E6%A2%85
この赤坂小梅について地元福岡県田川市川崎町の人たちがドキュメンタリを制作した。
「小梅姐さん」http://www.koumenehsan.com/100nen/
これの実行委員会の事務局にかつての仲間がいてそれが私にも回ってきた。
11月8日(土)~28日(金)までポレポレ東中野で
自主制作、思ったよりかかったようだ。
実際に足を運んでくれる人を求めている。
私の昔の仲間も10日紙芝居師として登場するとのこと。
私は学生時代、石炭の時代が終わり閉山炭住となった筑豊に休みの度に出かけたことがある。田川にはよく行った。

ぐんと涼しくなった。
山の冠雪、北海道での雪のニュースも耳にする。
秋が深まり、冬が近づいてくる。

日曜日、月曜日と再び岩手県一関市行き。
今度は中学卒業48年目の同窓会。
中途半端な年になったのは、最近死んでいく同級生が増えたため。
今回参加者には3名のがん患者がいた。
人生80年と言われるが、それはあくまで平均の話。
実態として私の同年62~63歳で既に少しずつ歯こぼれするように死んでいっている。

定年で年金生活になっている者、定年後に再就職したが、それも今度の3月までと話す者
欝を患っているのも私だけではない。
孫のいる者もいるがいない者も同じくらいいる。
この歳まで独身の者もいる。
国際結婚した者もいるし、子どもが国際結婚した者もいる。

会には250人中、参加できたのは80名弱。
2次会には40名くらい行っただろうか。
3次会はぴたり14名。

卒業以来48年ぶりで会う者もいる。すっかり変わってわからない者もいる。その一方、しばらく話しているうちに顔の中心からおぼろげに子ども時代の顔が浮かび上がってくる者もいる。そのまま歳を重ねただけの童顔もいる。

幸せそうな顔しているが、倒産、一家離散を経験した者もいるなど、一様ではない暮らしを抱えている。

子ども時代、私たちは一様に貧しかった。だが、それ故の不満はなかった。皆が同じように貧乏だったから不満を感じることがない。
男の子にはチャンバラが人気であった。自分で木を切ることで遊び道具となるからだ。
チャンバラを通じて、どこまでが危険か、そうでないかの境界を勉強した。それは自ずと、文章化されないがルールであった。
走りが得意な者、編み物が得意な者、スケートが巧い者、人を笑わす者、勉強ができる者、喧嘩が強い者、詩作に秀でた者、さまざまな基準があって、それぞれがその分野ではヒーローだった。

日教組が諸悪の根源みたいに言った大臣や知事がいたが、私たちの時代は、岩手県教組(ガンキョウソ)が強い時であった。
いまの人には信じられないだろうが、クラス会、学級会が「児童自治会」と呼ばれ、子どもが自分たちの意思でカリキュラム以外を動かしていた。私はいろいろなことをこの時期に身に着けた。
教師は危険等の問題が出ないかぎり子どもの意思を尊重した。子どもが主役の時代に僕たちは育った。
教師とは親しく、小学時代の担任の家にはよく自転車を連ねて遊びに行ったし、中学ではバスケットボールの練習終了後には職員室に行き、当直の教師と遅くまで話していたりした。

考えてみれば小学入学が敗戦後6年。まさに戦後の貧しさと純粋な戦後民主主義教育のただなかであったわけだ。
この教育環境はいまでは得られるものではない。しかし、その中で育ったことを私は誇りをもっている。

もういっそう秋は深まっているだろうが、一関で撮った秋の風景を紹介しておこう。
街は他と同様に活気を欠いているが、いなかにはまだこうした美しさ、自然の豊かさがある。

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/