葬送の変化から20歳

昨日ときょうは前ほどの蒸し暑さから解放されていますが、歩いていると汗がジワーッという感じ、まさしく梅雨です。

新潟の妙光寺(日蓮宗、住職・小川英爾さん)が毎夏行っている「フェスティバル安穏」の案内パンフレットができました。

今年は安穏廟ができて「満20年」です。
そこでテーマは「フェスティバル安穏“20歳”」
8月29日(土)13時から新潟市(市町村合併で西蒲原郡巻町から変わりました)西蒲区角田浜妙光寺で行われます。

第1部 語り合い 13:10~13:55
  昨年好評につき、檀信徒、安穏会員の方などで安穏廟へのそれぞれの想いなどの「シャベリ場」。一人ひとりの人生を感じさせてくれて好評だったので、今年も。私がコーディネイトします。

第2部 「生きているということ~映画と歌とともに~」14:10~16:00
 ゲストはフォークソングとしてはもはや大御所の小室等さんと的確な映画解説で知られる、おすぎさん
 という豪華ゲスト。
 松本・神宮寺の髙橋住職から紹介を得て実現しました。

第3部 安穏法会 16:40~18:10
 メインイベントです。昨年雨で本堂でやったところ好評だったため、本堂での法要の後、皆で移動して安穏の広場での法要と贅沢な構成となっています。

第4部 交流パーティ 18:40~20:20
 本堂前の院庭を会場にお祭気分で。名物「安穏甚句」は檀信徒のバンドに皆参加しての踊り。さらに今回は僧侶とコックの異色ユニット「しんが」が加わります。

参加費  1人1,000円、交流パーティに参加される場合は3,000円

申込 8月22日〆切 ファックス0256-77-2163
    インターネット http://www.myoukouji.or.jp/

問い合わせ 〒953-0011新潟市西蒲区角田浜1056 角田山妙光寺
         電話 0256-77-2025

以上、紹介でした。
私はスタッフとして前日から日曜日まで妙光寺にいます。いまや年寄りにつき皆の邪魔にならないよう、「安穏Tシャツ」を着て参加しています。当日は住職の小川さん、エンディングセンター代表の井上治代さん、そして私の本の即売会もします。

跡継ぎを必要としない永代供養墓の先駆けとなった安穏廟ができたのは89年、91年には葬送の自由をすすめる会による自然葬(散骨)、99年には岩手県一関市で樹木葬墓地が誕生
大雑把に言えば90年代は「お墓の革命」ともいうべき大きな変化が起こった時期です。
葬儀の方も90年始めには祭壇の生花が白菊から多彩な洋花も使うようになり、90年代は斎場(葬儀会館)建設ラッシュと葬儀の自宅離れが進行。95年頃から「家族葬」が市民権を得るなど葬儀の「個人化」が大きく進行しました。
檀家制度も弱まり、07年には仏教葬儀が初めて9割を下回るという仏教界には大きな危機感を与える事態となりました。

永代供養墓も単身者や子どものいない人が「お墓に入れないのか?」という素朴な疑問から始まり、喪家の家族(特に女性)が「他人に家に入られ、遺族であるにもかかわらず働かされて弔いができない」と葬儀の自宅離れが進み、自然志向、自然再生の動きが墓にも影響して自然葬(散骨)、樹木葬、桜葬が生まれ…とこの間の動きは一見業者主導型と見えるが実は消費者が動かしたものでした。

私が最初に自分の名だけで本を書いたのは、変化の真っ最中である94年に出した『「お葬式」の学び方』(講談社)でした。今回講談社から文庫化のお話をいただき、さすが15年前のものをそのまま出すわけにはいかないと、ほぼ4分の3を新しい原稿に、残ったものも大幅に手を加え、おそらく7月21日(火)あたりから市場に出ます。

タイトルは『「お葬式」はなぜするの?』講談社α文庫から出ます。

2000年頃から流行している「直葬(ちょくそう)」を最初に社会化した者として批判を浴びている私ですが、その問にまっこうから答えようとするものです。

愛着ある最初に出した本を全面的に改稿して、現段階の変化の最新の分析をして世に問おうとするものです。

と、いささか大げさになりましたが、思い入れたっぷりな本になりました。7月21日以降、お求めいただき、お読みいただいたうえで、忌憚なき批判をたまわれば幸いです。
昨日の夜に最後の編集者からの問い合わせに答え、すっかり私の手を離れました。

私も「死」「葬送」の世界に手を染めて10月で満20歳。
とりかかったのは44歳、現在63歳。
実は2003年に大東出版社さんから『死に方を忘れた日本人』を出したのが「遺言」のつもりでしたが、改めて第2の遺言になります。
併せてお読みいただければ幸いです。

私はスーツにネクタイというのが、どうも息苦しく、できれば避けたいのですが、先月、今月は嫌いなスーツとネクタイで出る機会が多くなるのが憂鬱です。
出かける予定がないきょうなどはTシャツにジーパン、ペラペラのジャケット姿です。
この日常の姿で出られるのがフェスティバル安穏のよさです。

 

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/

「葬送の変化から20歳」への2件のフィードバック

  1. 拝啓 編集長様!毎回・・・(まとめ読みもあり?)楽しみに読ませてもらっています。このあいだ・・横浜にいってきました・・否・・行かせてもらいました。イベントとしてのフェアも魅力ですが、現場で一生懸命働きなんとか同業にヒントを・・といったとっても素敵な社長さんにたくさんお目にかかりました。ライバル誌主催のいべんとですが・・・。編集長はきていらっしゃらないかなぁ・・などとキョロキョロしてましたけどダメでした。一度事務所に・・などとおもっているのですが・・・。私がこの業界に首を突っ込んだのがH4年・・もの心がついたとき教科書として読み出したのが SOGI でした。本も  ブログも心にしみます。・・・ご自愛くださいませ。  追伸、うちの社長も素敵な社長なんですよ。滅茶苦茶ワガママですけど。(笑い)ひょっとしたら共通点あるかも。執筆たのしみです。永~くお願いします。

  2. umezoさん
    いつもご来店ありがとうございます。
    綜合ユニコムさんはライバルとは思っていません。こちらとは違う視点で情報を提供されているので、いつも興味深く読んでいますし、フェアは私は行っていませんが、取材させてもらいました。読者の方にとっても違った視点で見られるのはいいことだと思っています。その意味では鎌倉新書さんの「仏事」も参考になります。
    どうぞ事務所へいらしてください。しょっちゅう出かけていますので、事前予約をお願いします。
    そちらの「わがまま」な社長さんにもお会いしたいですね。

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