東日本大震災が自衛隊や各国支援部隊が現地に入ることで、救出も遺体発見も進んでいる。
津波で人家の下敷きになっている人、溺死体なので腐敗変容も進む。
報道機関により死者数が異なるのは、死体検案が済んだ遺体数となると数は少なくなるからである。
警視庁も応援検視部隊を山形に作るという。
仙台では宮城県総合運動場内に検視部隊がある。
法医学者の数が少ないので検視は進まず、その前に遺体はそこかしこに置かれているようだ。
検視の結果で身元判明率は3割とか、身元確認できる人も亡くなっているケースも多い。
現地でも関東でも今ないのがドライアイス
千葉のコンビナート爆発でドライアイスが消えた。
その中でいかに死者の尊厳を保つかが重要だ。
各県の機関から棺1万本以上が全葬連や全互協に依頼されたようだ。
棺は送られる。でも、モノだけ送られても作業は進まない。
かつて神戸の震災時、警察官等が組み立てた棺は底が抜けたり、とかく問題になった。
県によってはモノには目が行くが、それを組み立てる人、納棺する人の必要性が認識されていない。
今回の遺体は溺死体が多いので、腐敗、変容が大きく、取り扱いには注意が必要である。一部は現地で、一部は団体が入り活動を開始している。葬祭業に携わる人のここは踏ん張りどこだと思う。
若いエンバーマーたちも現地入りを希望している。
検視前の腐敗進行が問題になっている。
若い連中がメールで相互討論し、最も有効な手立てを相談してほしい。
納体袋とエンバーミングの外部塗布用パウダーが素人としては最も必要なモノと思われるが。
不足するなら米国の団体NFDAに提供を求めることも可能だ。
目立つ行為ではなく、必要とされる行為を!
若い人たちは自ら動く上で自分たちで考えて提案してほしい。
生きている人への援助も不足している。
でも、もっと不足しているのは死者の尊厳を守ることと死別した遺族へのサポートだと思う。
これは一般の人がなかなかできないこと。
消防も警察も自衛隊も運ぶことはやってくれる。
その先はデリケートな遺体を取り扱うノウハウをもった人間だけができること。
ある単位の体制を取れば県の対策本部は喜んで支援を要請するはずである。
死者をどこまでも大切にすること、これができるかどうか、葬祭業界の社会的有用性がかかっている。
それぞれの団体の自意識をこの災害の前に超える必要がある。
被災者(死者も!)に求められていることを提供する必要がある。
老人は口でしか言えないから口で言う。
特に私は東北出身者。
死者が放置されている現状が耐えられない。
時間はおそろしく死者は腐敗を進行させるのだ。
いつまでも死者は待てない。
頼む!
追記
被災地の県は火葬場もうまく稼動していないので土葬も考えているようだ。個々ではなく合葬型であろう。でも、後から自分の家族を自分の手で葬りたいと思う人が出てくるだろう。その際個人を識別できるタグをつけて埋葬してほしい。そして時間が経過した後に改葬できるいわゆる二次葬ができるように。
一般にこうした二次葬はもう一度火葬して、それを拾骨し改めて葬る。
そういえば現地で不足しているモノの一つは骨壷だという。東北地方は全骨収拾の習俗だから関西よりずっと大きい。骨壷を保有しているところは供出してほしい。有料でも結構。特に銘作でなくてよい。売値でも1万円以内のでいい。
具体的支援案
碑文谷創師がブログで被災死者の尊厳を守るための具体的手立てを議論するよう呼びかけられていらっしゃるので、取り急ぎ私見を纏めておきます。
現段階で最も有効な行動は「 現地に有識者を送り込み、指揮ネットワークを確立すること 」しかないと思います。
状況把握のできる人間を送り、
本部はどこに置いて、具体的作業はどこでできるのか
どの場所に、どのようなスキルを持つ人がどれだけ必要か …..
具体的支援策議論
まとめ (ご意見はコメント欄へ) ※親記事は下部へ移動、スペースの都合で一部削除
★ 状況と課題
(状) 棺は12日時点で少なくとも2便、宮城等に送られた。ただし数量は多くない ( tontocamata )
(状) 被災地周辺地域(確認できているのは水戸)でも棺が品薄になっている ( tontocamata )
└(課) 棺の供給支援が必要
(状) ドライアイスが足りない (碑文谷)
(状) 遺体の検案前の腐敗が問題になっている (碑…..
具体的支援策議論まとめ
まとめ (敬称略、ご意見はコメント欄へ)
★ 物資供給支援
(状) 不足物資は火葬場稼動地域で「棺」「骨壷」「火葬燃料」、非稼動地域で「納体袋」、全般「ガソリン」
└(課) 物資供給支援が必要
└(見) 国道4号線沿い、一関・奥州・北上・花巻付近に後方支援拠点がほしい (prof)
└(見) 当該地の葬儀社で協力・提供してくれるところはないか (prof)
★ 人的支援
(状) 法医学者が足りず検案が進まない (碑文谷)
└…..
私共は埼玉県の小さな葬儀社です。
死者は待てない・・・を見て感じた事!
今回の大災害を見ていて 殆ど経済的にも被害の少ない関東(埼玉・東京その他)地域の葬儀社 しかも、個人商店的でも出来る事はないか?考えてきました。
本記事を見て 被災者救済はなにも、生存者の生活支援だけでないと思います。
不幸にも亡くなった御遺体を1日でも早く荼毘に付して 御遺骨を御家族の元へ返して挙げる事!も被災者救済になると思います。
それらに手を貸す事が出来るのは我々葬祭業者の勤めであると思います。
大組織である全葬連や全互連も活動している様ですが、棺や骨壷等を被災地に送るだけでは復興支援とは言えないですね!
私共地元の自治体でも先日「被災地域の御遺体」を葬儀社が運んできた時は減免措置として無料で「火葬」を行う事を市議会で閣議決定したとの事でした。
あとは、葬祭業者が現地に向かい、御遺体の搬送を行えればいいだけです。
しかし、霊朽車・寝台車では1体しか積載できません。法規的措置としてトラックでの運搬が可能なら、自社のトラックで多くの御遺体を搬送出来そうですが・・・
本文巻末に記載されていた「骨壷が不足している」件も関東圏には十分在庫があると取引先の問屋担当者も話していました。
そうすれば、トラックに骨壷を満載して被災地に向かい、帰りは御遺体を積んで帰路に向かう事も可能となります。
ガソリン不足も今週末には解消されそうです
葬祭業者として同じ「志」を持っている方が集まれば小さな力が大きな「力」になると思います。
いま、私たちに出来る事!・・・