きょうの読売のニュース
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110328-OYT1T00578.htm
政府は、東日本巨大地震による犠牲者の遺体の搬送・埋葬に関する総合対策をまとめた。
遺体の搬送は全日本トラック協会と全日本葬祭業協同組合連合会、全国霊柩自動車協会、土葬する場合の墓穴掘削は全国建設業協会にそれぞれ協力を要請。
被災地以外の都道府県でも、火葬ができるようにする方向で検討を急ぐ。また、全国の自治体や関係団体と協力し、遺体を納めるひつぎやドライアイス、火葬場で使用する灯油の安定供給を確保する。家族や集落全体が津波被害に遭い、遺体の身元確認が難しいケースも多いため、埋葬が滞り、公衆衛生上の問題が発生しないよう、医師らによる毛髪や歯型の記録などを残したうえで、火葬や土葬を行う特例措置の適用も拡大する方針だ。
2011年3月28日14時55分読売新聞
これは26日付けで関係団体に厚労省健康局長名で出された文書に基づく報道のようだが、こんなすっきりした文書ではない。火葬・埋葬・墓地等を管轄するのが健康局生活衛生課である。
経済産業省も積極的に動いている。トラック協会は国土交通省が所管なので、そことも連携をとっているのだろう。
新聞報道ではこうだが(まだネットだけで読売の夕刊にもまだ載っていない)、健康局長名文書では被災した各地から要請が出されることになっているようだ。
個別で事情が違うので、妥当だろうが、受けるほうは大丈夫か。
遺体搬送は今までは、超法規的に自衛隊がしてきたが、霊柩の許可ない車、小型トラックでもいい、という判断が国土交通省から出ているのだろうか。
国土交通省(することが多くて大変なことはわかるが)がトラック協会に言及しているのは緊急物資輸送のことしか書いていなく、ここには遺体搬送については書かれていない。形式的に思えるだろうが、こうした措置がないと動けないのだから、すぐ期間限定でも出すべきだろう。
また、霊柩運送はバス型を除けば1遺体の搬送を前提としている。バス型も基本は1遺体。但し柩と一緒に親族等も乗れるもので、東北、北海道に見られる形。他地域にはあまりない。
今のところ各地から具体的要請はまだないようだ。
これは今後は自衛隊ではなく、民間に依頼する意。
同じ経済産業省でも互助会を管轄する取引信用課はどう動いているのだろうか。また、JA葬も増えているが、このことで全農には依頼がいっているのだろうか。
葬祭業者全部を動かすのであるならば、互助会、JAも動かさないと。役所の縄張りではなく。
今回は厚労省なのだから、動きやすいはずなのに。
待機せざるを得なく、歯がゆい思いをしている葬祭業者もたくさんいるようだ。
現地でももともと死者数が例年は少ないので、火葬できる数が少ない施設が多く、土葬という話も出て、先日の東松島市では始まっているが。
他地域の火葬場も受け入れ態勢を取っているようだが、うまく動いていない。
死体検案の済んだ遺体の身元判明率は当初は10%もいかないところもあったらしいが、今は8割近くになっているようだ。
神戸でもそうだったが、火葬・埋葬を待つ家族等の心情は切ない。これだけ長期化すると遺体に対して打つ手はない。ドライアイスも限界がある。
遺体の問題については厚労省、産業経済省のホームページにも記載がない。少しおかしくないか。
すでに判明している死者が1万以上、行方不明も1万7千以上、まだまだ全貌がはっきりしないのに、死者について具体的な動きが少ないのはなぜだ?
追記
本日(28日)、厚労省からの依頼が互助会にもきたという。遺体の損傷は激しいだろう。納体袋は相当数は入っているようだが配分はどうか。
仏教系の新聞が伝えるところによると、敷地の一角を仮埋葬地として提供している寺。避難所として地域の住民を受け入れている寺、宗派を超えて火葬場で読経を地域の寺が輪番で奉仕している僧侶たち等のことが報道されている。檀信徒の葬儀すらできない、と嘆く住職たちもいる。
現地の寺も、現地の役所も、現地の葬祭業者も、自分や家族が被災しながら、さまざまに活動している。
2週を過ぎ、疲労が深く溜まることを自覚する時だ。睡眠だけは無理してでもとることを願う。
これからが途方もなく長い日々が続くのだから、持続できる活動を、そしてそれを全国の人が少しでも分け合うことができれば、と思う。
消防、医療、警察、自衛隊、さまざまな形で係わる人に敬意を表す。そしてバックグラウンドでもチャリティ、募金等さまざまな活動が広がっている。
東北人の一人として感謝する。