早い夏

きょうは30℃になるかもしれない、と天気予報が伝えていた。
7月の気温とのこと。
暑い。

昨日夕方はTBSラジオのデイ キャッチに出た。
16時半~17時半の拘束、とだけ聞いていて、詳しいことは知らされなかったままだった。
到着は16時25分。
放送開始は17時10分から20分だった。
しかもコマーシャルが込みであったから実質わずか。
時間を考えないで話したので、進行の荒川強啓さんにハラハラさせ、話も広げ過ぎた。

考えてみれば、今の50代以下というのは、昔の地域共同体による葬儀も知らないし、1960年代などというのは大昔の感覚なのだ。
95年以前の高度経済成長からバブル期の「社会儀礼偏重型」の葬儀すら知らない。

未だにマスコミでは「高齢化社会」という用語を用いているが、「高齢化がどんどん進んでいる」というニュアンスで用いているのだろう。

歴史的には1956年の国連報告書にあると考えられている定義によるならば
65歳以上人口が全人口に占める割合を「高齢化率」といい、
高齢化率が7%以上であれば「高齢化社会」、日本は1970年に突破した。
14%~21%を「化」がとれて「高齢社会」、日本は1995年に突破。
21%以上となると「超高齢社会」となる。日本は2007年に突破。
2013年10月1日には、日本の高齢化率は25.1%と堂々の世界一。
男性が22.1%、女性が27.8%である。
ちなみに75歳以上が全人口に占める割合は12.3%であり、男9.7%、女14.7%である。
1935(昭和10)年の高齢化率が4.9%であるから、社会が大きく変化していることがわかる。

平均寿命(0歳児の平均余命)は第2次大戦までが50歳以下であったのが、1913(平成25)年には男が初めて80代に突入し80.21年、女86.61年となっている。
もう少し実態を表す「寿命中位数」
65歳まで生存する確率は、男88.0%、女93.9%、75歳までは男73.6%、女87.1%。これが90歳となるとさすが下がって男23.1%、女47.2%と過半数を割る。
でも考えようでは男の4人に1人は90歳以上生き、女は半数近く生きる。
元気で見守る人がいればいいが、多くはそうはいかない。
ちなみに寿命中位数は男83.19年、女89.4年となっている。

問題は高齢者の支え手の問題だ。
1953(昭和28)年の平均世帯人員は5人であったが、2013(平成25)年はほぼ半分の2.51人になっている。家族がちょうど半分と小さくなっている。

細かい分析を省くが
75歳以上で「配偶者があり」、の場合、単独世帯は1.7%、夫婦のみ世帯が58.9%となっているが、問題は「配偶者なし」のケース。
単独世帯が44.9%になる。
配偶者のあり、なしで環境は大きく変わる。

1995年が葬儀の個人化の転換点になった年だが、これが「高齢化社会」から「高齢社会」に変化した年であるのも象徴的だ。
そしてこの年に阪神・淡路大震災が起こったのだ。

広告

投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/