恥ずかしながら「びきまえ」が公開、そして自棄酒

昨日は温かかった。
また明日からは寒くなるらしい。
関東にも雪が降るかもしれない。
ラジオによると7割の確率で雪らしい。
北海道はすでに雪の時期に入っている。
温暖差が激しいのは身体にきつい。

さて、一昨日からこのブログのアクセス数が少し上昇した。
更新もしていないのに「なぜ?」と思ったが
https://www.youtube.com/watch?v=0P_zLhjEsSY&feature=em-subs_digest

のせいのようだ。
YouTubeの「びきまえ」という友引前に更新される番組で、399回目だ。
私の雑誌が156号で閉じたので、継続力は感嘆に値する。

S水さん(ここでは名前をそのまま言わず頭文字とするのが約束ごと。レギュラーのS水さん、S藤さん、S木さんは旧知の仲、S本さんが初対面)が、以前の番組で、私からの電話を「不幸の電話」なんて言っていたが、ついに私に出演要請がきた。

「事務所を閉じることになったがいいか?」
と念を押した結果、ありがたいことに「かまわない」とのことなので出演を了承。
S木さんの会社のビルで収録。
後1~2回続くのだろうか。

自分の声を改めて聴くと「歳をとったな」と思う。
初対面のS本さんは声のプロ、さすがにいい声をしている。
私みたいなロートルを歓迎してくれて恐縮。S本さん感謝!
私も「H文谷」で出演した。
気持ちのいい時間を過ごさせてもらった。
こうして「仲間」として扱ってくれる人たちがいるのはうれしい。

だが、こうしたうれしい話ばかりではない。
このところ業界ではすっかり「犯罪者」扱いされている。

いろいろ言われることは覚悟のうえだった。
しかし、これからの発言を倒産したからと変えるわけにはいかない。
遠ざかる者は追わず、信頼してくれる人が数人だけでも、そのために表現者であることは辞めない。

そもそも「儲け」を第一義にしていたら25年半もやってこない。
10年以上前に辞めていた。

これまで「仲間」と思っていた人すら、相変わらず信頼してくれる人と腰が引ける人とに大きく分かれた。
私の人徳のなさだ。
これまで私を「うるさい」「やりすぎ」と思っていた人たちが業界内に少なからずいたことが、よ~くわかった。

倒産のニュースを耳にして、原稿を依頼してくれる人もいるから、それはとてもうれしい。

多くの人にとって「倒産は人生からの落伍」であり「皆に損失と迷惑をかける行為=社会的犯罪」と見做されることなのだと思う。
そう思っている人がたくさんいて、「存在を許さない」と思っている人がたくさんいる…ということがよくわかった。

私が原稿内容を批評した人間が、いくら働きかけても私には応答しないでいて、私が倒産ということになると、会う人に「知っている?」と楽し気に言って回っていたという。
「へッ」と思う。

しかし「破産はいのちまでは盗らないから安心しな」と励ましてくれた人が何人かいた。
表現者にとって「いのち」とは表現することだ。
だから、相当悩んだが、裸一貫となったが、個人として表現者であり続ける、と覚悟した。
年齢からくる身体の衰えには勝てないが、後を続く人への道を拓く、受け渡しをするまでやってみよう、と思った。
これからはむしろ仕事をどう受け渡すかが私の仕事なのだろう。
70歳は表現者としては「賞味期限過ぎ商品」なのだろうが。

でも、正直、やれるかどうかは覚悟だけでできるものではないから、再びの「敗北宣言」をここで書くハメになるかもしれない。

今回、倒産ということで迷惑をかけるが、それを最小限にしようと思った。
特に、私が書いたが、いわば公有財産については、権利関係を無視して、残せるようにした。
いずれ再評価されるかもしれない。それまで待とうと思った。

だが、早速きたのは「追い打ち」だった。

昨夜は家で、〆切のきたゲラ校正をメールで出版社に返した後に、自棄酒を呑んだ。

なお、書いたのは鵜飼秀徳『無葬社会』(日経BP社刊)の書評だった。
これについては雑誌が発売後に詳しく書いてみようと思う(雑誌発売前に書くのは出版仁義にもとるので)。

もう一つ報告しておくなら、新発売の『現代用語の基礎知識2017』にも例年どおり署名入りで書いている。死と葬送について論じるなら、せめてこのくらい読んでくれよ、と思っている。近年は「素人」ジャーナリストが、不勉強のまま書いているのが目立つ。

本日のブログ、後半は、はっきり言って「愚痴」である。

広告

投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/

「恥ずかしながら「びきまえ」が公開、そして自棄酒」への1件のフィードバック

  1. 「びきまえ」を早速拝聴し、FB終活グループにも昨日、リンク投稿しました。
    「葬儀概論」を3ヵ月で書きあげられたというのには、驚嘆!しました。

コメントは受け付けていません。