四訂葬儀概論が完成

『四訂葬儀概論』が4月7日完成。
 

Yonteigairon

初版が1996年4月、改訂版が2003年5月、増補三訂(360ページに)が2011年6月、今回の四訂が2017年4月…と平均5年強で改訂を繰り返してきたことになります。
本体9,524円と少々高いですが、葬送に関してはまとまったものはこれ1冊、内容的にはそれなりのものと思っています。
葬送の歴史としてまとまったものは本書が本邦初でしたが、現在の部分はいまだに書き続けています。
私のライフワークとなりました。

初版は1996年の葬祭ディレクター技能審査の第1回に間に合わせるべく前年の11月から企画、執筆、編集・・・で怒涛の4カ月で完成させましたが、若かったからできたのでしょう。
増補三訂版は全面的な見直しで1割強増ページ、ほぼ1年かけました。
今回の四訂版は2016年12月から4ヵ月かけました。
三訂版までは校正、索引、目次は事務所の共同作業でしたが、今回は単独作業、校正の見落としで追加作業が多く、制作の武田貞盛さんにはご苦労をおかけしました。

今回の四訂はページ数は維持しましたが、6年ぶりなのでデータを一新させるだけでもひと作業でした。
死亡者数の推移は今回は2015年の人口動態統計(確定)を使用し、将来推計については三訂では2006年の社会保障・人口問題研究所の将来人口推計を使用しましたが、今回は現在最新の2012年版を用いています。
死因、火葬率も宗教法人の統計に至るまで最新のに置き換えています。
また、葬送も大きく変化していますので、「現在の葬儀事情」を書き直すだけではなく、各部にわたって手直しを行いました。

法令の変化もあります。一部例を示すならば、
2012年に「死因究明促進法」「死因・身元調査法」が新しくできました。
今回2013年の警察取扱死体が約17万件、全死亡の13.3%であることも示しています。
同年の司法解剖が8,356件であることも法務省資料に基づいて記述しました。。

感染症法はたびたび改正されますので、最新版に基づき記述を改め、アフリカでのエボラ出血熱の深刻な流行から2015年に厚生省令で一類感染症については24時間以内の火葬等を細かく定めましたが、それについても1項を設けました。

献体遺体についても医学生等の解剖実習以外に献体遺体を用いて医師の手術手技研修に用いることができるように日本外科学会・日本解剖学会が2012年にガイドラインを作成し、文書での同意等を条件に可能としました。
この場合には通常の献体遺体が48時間以内の引き取り希望なのに24時間以内の引き取り希望としました。

年金についての制度も改められています。
2011年の東日本大震災の経験から災害遺体を尊厳をもって扱うことの教訓を得ているので詳しく論じています。
病院での死後のケア(死後の処置)の実態を示し、葬祭事業者の遺体管理の重要性もより詳述しています。

本書が常に「現役」のテキストであるために細部にわたって見直しています。

私は2016年度をもって第1回から責任をもっていた葬祭ディレクター技能審査関係の職はすべて辞しました。
しかし、『葬儀概論』については可能な限り責任をもって著者としての責任を果たしていくつもりです。

本書は葬祭ディレクター技能審査の受験者のみならず、既に葬祭ディレクターの資格を得た人へも最新情報を提供するものです。
また、死と葬送関連の学究者、関心を持たれている方、宗教者その他の方々にもきっとお役に立つはずです。

事実、宗教者が自派の儀礼については知っているが、他宗教宗派について知りたい、という需要に唯一応えるものということでお求めいただいてきました。

今回の四訂版の表紙も表現文化社が存在しなくなったことから「葬祭ディレクター技能審査協会」に変わりました。

本書のお申込みは
葬祭ディレクター技能審査協会
〒108-0075 東京都港区港南2-4-12 港南YKビル4階
(1)FAX:03-5769-8702(お問合せ先:03-5769-8704)
(2)FAX:03-3500-4212(お問合せ先:03-6206-1281)
までお願いします。
申込書は下記からダウンロード願います。
http://www.sousai-director.jp/download/chumon_201704.pdf

ぜひお求めください。

 
(追記)2018年4月
4訂2刷を発行した。
https://hajime-himonya.com/?p=1566
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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/