辻早紀「サヨナラの記念日」(葬送三部作)を聴く

CITY-WAVEの相徳さんという方からメールをいただいた。

突然のご連絡で申し訳ありません。

 弊社は20年近くに渡り音楽レーベル「G-WAVE Factory」を運営しており、
CDのリリースやアーティストのプロモーション等を行っております。

今年の6月7日(水)にG-WAVE Factoryより「辻早紀(つじ はやき)」というソロアーティストが
『サヨナラの記念日』というCDで全国デビューするのですが、この作品のテーマが「死別」で、大切な人との死別はとても悲しいことだけれど、その人の記憶がこれから周りの人々の心の中に永遠に寄り添い始める記念日でもあるのではないか、ということを唄っています。

また、この作品は従来のクラシックでもジャズでもない、いわゆる「歌モノ」の曲で、
タイトル曲の他に、『出会いの奇跡』『思い出の陽だまり』の3曲で構成された、
おそらく日本で初めての「葬送歌三部作CD」となっております。
 
私はもう雑誌媒体もない、とお断りしたのだが、まず聴いてほしい、とCDを送ってきた。

三部作は「サヨナラの記念日」「出会いの奇跡」「思い出の陽だまり」の順で収められている。
私は音楽については素人以下である。
歌詞を先に読んだが、
「出会いの奇跡」は墓参時の歌に聴くといいかな、と感じた。

巡りあえたこと いつまでも大切に…

出会いの意味はわからない
きっと本当は意味なんてない
でもこころは失くした何かに
気づいて それを探して

というフレーズからだ。

「思い出の陽だまり」は三回忌あたりに聴くといい歌かな、と思った。

何気ない言葉をいまも覚えている
些細なできごとがこころによみがえる

 
その一つ一つに思いを重ねてみる
というフレーズからだ。

この二つの歌は視聴してみても印象は変わらなかった。

「サヨナラの記念日」
これは歌詞を読んだ時より視聴した時のほうが印象が強かった。
これは、いわゆる「お別れの儀」、出棺前の棺の蓋を開けて花を入れてそれぞれが死者と別れるその時に流されるととてもいい歌になるだろう、と思った。

もう これからは自由に飛べばいい
私に残したあとがきをサヨナラの代わりに

あるいは

束の間に過ぎていったこの夢に

同じ時代を走っていた後ろ姿に

というフレーズは生きていた。

歌詞を読んで気になっていた
「今はお祝いしましょう」「今は微笑みましょう」「嬉しく泣いている」
は、よくあるプラスイメージの言葉で、沈黙しているほうがいい、と思っていたが、聴いていて邪魔にはならなかった。

歌詞段階では、90歳以上の方の葬儀、長い闘病の末の死の場合にいいかな、あるいは四十九日、一周忌あたりに聴くといいかな、と思っていたが、試聴して、多くの人を送る、しかも花入れの場面では共感を得るのではないか、と感じた。

先に記したが、葬儀については詳しいが、音楽的には素人である私の感想である。

辻早紀さんのプロフィール http://tsujihayaki.jp/profile/
CITY‐WAVEの会社情報 http://www.citywave.co.jp/company.html
相徳さんは株式会社CITY WAVEの代表者の方のようだ。
TEL:03-3770-7400  FAX:03-3770-7409
※ 営業時間:10:00~18:00(土日祝除く)

補足
6月7日ON SALE!
1,290円

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/