自身はどのような葬儀を家族に託すのか?―Q&A(1)

葬送について講演した後、寄せられる質問があり、後日にそれについて回答する場合がある。
全体の動きを解説するのがほとんどであるが、質問は私自身を直接問うものが多い。

2017年春に「日本人の葬儀観と死別」と題して行った講演後に寄せられた質問(質問は多かったが主催者より求められたもの)4つについて、その質問と回答を順次紹介する。

自身はどのような葬儀を家族に託するのか?―Q&A①


ご自身はどのような葬儀を家族に託しますか?」

 


基本は妻と2人の子に全てを託します。
といっても妻が先か私が先か、こればかりはわかりません。

家族が私のことをすべて知っているわけではないので、キーパーソンになる10人くらいの連絡先は書いておきます。


自分の死は決めることができません。
明日かも知れませんし、20年後であるかもわかりません。

状況によって葬儀のあり方は自ずと変わるでしょう。
それを全部予測して「こうしてほしい」と書くことは出来ません。


死別ということで大変なのは、死に逝く者より遺された者です。
姉との死別を体験してつくづく実感しました。

私の想いは日頃に家族によく伝えてあるので、どうするかは家族に安心して委ねたいと思うし、家族を先に送り出すという事態においては、家族の日頃の想いを尊重してしっかり送る責務があると思っています。


人間は遅かれ早かれ死にいく定めです。
死は点ではなく、人生という大きな流れの終点です。

後になる者は先に逝く者を送る責務がありますが、いずれは自分も送られる者です。
順番が先か後か、ということです。

そういう気持ちでこれまで家族の葬儀をしてきました。


死に方でその人間のすべてが定まるわけではありません。
今まで歩んできたこと、今歩んでいること、これから歩んでいくことの延長線に私の死があると理解しています。
ですから死だけに葬儀だけにこだわってはいません。

 

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/