妙光寺・安穏廟が切り開いたもの

2018年の新潟・妙光寺の送り盆(第29回フェスティバル安穏)が8月25日(土)に行われた。

妙光寺からの報告
https://www.facebook.com/permalink.php?story_fbid=1660681727391950&id=503879279738873

永石光陽さん(大分・常妙寺住職)のレポート
 https://www.facebook.com/hiroshi.fujita.79677/posts/1009145359291530?comment_id=1009187275954005&notif_id=1535349947679400&notif_t=feedback_reaction_generic
瀧野隆浩さん(毎日新聞社会部編集委員)のレポート

https://www.facebook.com/takahiro.takino.3/posts/1208307602645726


今回は安穏廟とフェスティバル安穏の歴史について触れる。

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1989年に当時まだ目新しい「永代供養墓」である安穏廟が開設され、翌1990年の8月に第1回の「フェスティバル安穏」が開催された。これがNHK が報じたことで一挙に墓問題に火が点いた。

この第1回の企画に際し、住職の小川英爾さん(現・院首)をサポートしたのが当時ルポライターであった井上治代さん(社会学者)。ゲストに当時の墓問題のスペシャリストであった藤井正雄さん(宗教学、大正大学教授)、女の碑の会の代表で翌年1990年に京都。常寂光寺に女の碑の会員のための「志縁廟」を開設した谷嘉代子さん(関西大学教授)等が参加してシンポジウムを開催。
この場に出席したのが90年に東京・巣鴨にもやいの会の会員用合葬墓「もやいの碑」に開設、1993年生前契約のりすシステムをつくった松島如戒さん、1991年に相模灘で「自然葬」と称して最初の散骨を行った葬送の自由をすすめる会の会長となる安田睦彦さん(元朝日新聞記者)等。
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1990年前後の日本の葬送の変革の旗手たちが一堂に揃った記念碑となるイベントであった。
藤井正雄さん、谷嘉代子さんは亡くなられている。
私が松島さんにお会いしたのは44歳の時、松島さんは53歳であった。今、私は72歳、松島さんは81歳である。
井上さん、小川さんは当時30代であった。

地元スタッフが育ち、地元の檀信徒が中心となって2010年から「送り盆」となった。

 現在「LGBTの人でも入れる墓」ができるなど話題になっているが、安穏廟は事実婚であろうと、LGBTであろうと、友人同士であろうと、当人同士が合意している限り、「血縁」という枠を超えて一緒に入れることを、1989年当時から可能としている。これは1999年にできた岩手県一関の樹木葬墓地(知勝院)でも同様である。


■「安穏廟」とは?

「お墓を建てたいが後を委ねる家族がいない、」「子供がいても後々の負担をかけられない、かけたくない。」

こうした家族の変化を受けて、妙光寺では、宗派を越え、かつ跡継ぎを必要としないお墓『安穏廟』を平成1(1989)年、全国に先駆けて実現しました。承継者がいなくなっても、妙光寺が基金運用によって供養、管理を続けるお墓です。
時代とともに変化する私たちの暮らしのなかで、『安穏廟』が提唱したことは、単に新しいお墓としてだけでなく、家族や血縁を超えて人々が集い、生き方について語り合う交流の場の大切さです。開設から四半世紀以上が経ち、人々の心のよりどころとしてしっかり定着しています。

 

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■安穏廟、フェスティバル安穏の小史

 

1989(平成1)年

 安穏廟完成

1990(平成2)年

 フェスティバル安穏が開始

 第1回「21世紀の葬送と結縁を考える」ゲスト:藤井正雄(大正大教授)、谷嘉代子(関西大教授・女の碑の会代表)角田由紀子(弁護士)、長島義介(新潟青陵大教授)
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1993(平成5)年

 安穏廟2基目完成

 第4回「葬送の自由の声に仏教はどう応えるか」ゲスト:山折哲雄(宗教学者)

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1996(平成8)年
 第7回「私の人生、私の死」ゲスト:新藤兼人(映画監督)

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1997(平成9)年

 安穏廟3基目完成

1998(平成10)年

 第9回「柳田邦男が語る生と死」ゲスト:柳田邦男(ノンフィクション作家)

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2000(平成12)年

 安穏廟4基目完成
 新本堂上棟式

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2001(平成13)年

 杜の安穏完成

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 第12回「「いま寺からのメッセージ―人々の生死を寺に託せるか―」ゲスト:高橋卓志(長野・神宮寺住職)、草野榮應(東京・明治寺住職)、秋田光彦(大阪・應典院主幹)、村田幸子(元NHK解説員))
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2006(平成18)年

 杜の安穏増設

2008(平成20)年

 杜の安穏増設

2010(平成22)年

 杜の安穏池の上完成

 「送り盆」が開始

 送り盆法要、院庭ステージでのイベント、トーク、参道脇でのバザール広場、大道芸、蓮の花手作り体験、京住院・祖師堂・客殿でのイベント・各種教室、墓地・安穏廟での常経、光のなかの安穏法要、夜の交流会…と多彩、かつ、さまざまな人の自主参加による「妙光寺の夏の御祭」として模様替えした。

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2013(平成25)年

 杜の安穏池の上第2期工事完成

永代供養

永代使用料の一部を基金運用することで、お盆と春秋のお彼岸、合同供養祭の年4回の法要回向、及び維持管理を妙光寺が行います。ご事情で年会費の納入が停止された場合、その年から起算して13年間は個別埋葬を継続し、その後も総廟に合同埋葬のうえ、お名前を刻み、引き続き永代にわたり供養を継続します。

 

■使用権の相続

使用権は血縁等に関わりなく、契約者が指定してお届けいただくことによって継承できます。使用権の継承者は継承以降の年会費を納入いただきます。

 

■会員制

契約者はすべて「安穏会員」として登録いたします。会員としての義務は一切ありません。妙光寺から定期的に通信物を郵送し、所在地の確認と行事のご案内をいたします。 

 

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/