COVID-19死亡者についてのガイドライン

7月29日厚労省、経産省は「新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方及びその疑いのある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」を新たに作成した。

https://www.mhlw.go.jp/content/000653472.pdf

従来は厚労省ホームページにて「新型コロナウイルス感染症Q&A⇒関連業種の方向け⇒遺体等を取り扱う方へ」で記載されていた。
今回のガイドラインはA4判31ページで実践的、平易、包括的なものになっている。
この作成にあたって国立感染症研究所だけではなく、行政では東京都、医療関係では日本医師会、日本看護協会、葬儀関係では全葬連、全互協、火葬関係では日本環境斎苑協会、東京都瑞江葬儀所を管轄する東京都公園協会が協力している。
これが実践的、包括的な内容とした功績だろう。

本ガイドラインの作成のニュースは、7月30日夜にオンラインにて行われた日本葬送文化学会定例会で知った。

今回のガイドラインの特徴は、遺体からの感染リスクだけではなく実際的に大きな課題となっていた「遺族等の方が濃厚接触者である場合の対応について」重点的に記載されていることだろう。

■遺族等の心情への配慮と関係者の不安
志村けんさん、岡江久美子さんの場合、遺族等が火葬の立ち会いもできなかったことで話題となった。このことからガイドラインでは「はじめに」の冒頭で問題意識が書かれた。

「新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方の遺族等は、大切な人を失った辛さに加えて、その最期の場面を通常のかたちで迎えることができないという悲しみを抱くケースがあります。他方、医療従事者の方、遺体等を取り扱う事業者の方、火葬 場従事者の方等の関係者の方は、献身的に業務に従事されながらも、感染対策等について多くの不安を抱えています。人間の最期の場面に尊厳を持って携わりながら、関係者の方の安全・安心に対して最大限に配慮し、これらの両立を図ることは、極めて 重要な課題です。」

確かに3月―4月の段階ではCOVID-19について感染症の専門家は、適切なリスクよりは恐怖・不安を煽りかねないゼロリスク対応を強調するきらいはあった。これは感染症へ無知に等しい国民に対しては仕方のない対応であったかもしれない。

だが葬儀従事者、搬送従事者、火葬従事者は、当然の日常訓練において感染症への一定の知識、対応力を備えておくべきであったのに、とたんに「感染症のアマチュア」を自認し、不安に駆られたことは、エッセンシャルワーカー、葬儀のプロとしては恥ずべきことであった。

それが昂じて、従事者の安全確保(ひいては感染遺体を扱ったということからくる風評被害)という否定できない名分の基に、火葬に際しては火葬前、拾骨の遺族等の立ち会いを拒否、葬儀従事者も遺骨の遺族等への直接手渡しを行わない、という極端な対応を行った例もあった。

一言彼らへの弁護を行うならば、遺体や遺骨からの感染よりも濃厚接触者である可能性の高い遺族等からの感染リスクが高いために仕方がなかったのだという。
本ガイドラインにおいて濃厚接触者への対応に大きなスペースが割かれたのは、こうした事情を反映している。

■遺体からの感染リスク
「新型コロナウイルス感染症は、一般的には飛沫感染、接触感染で感染しますが、 遺体においては、呼吸や咳嗽(咳のこと)による飛沫感染のおそれはありませんので、接触感染に注意することとなります。
WHO のガイダンスによれば、現時点(2020 年 3 月 24 日版)では、遺体の曝露 から感染するという根拠はないとされており、感染リスクは低いと考えられますので、接触感染に対しては、手指衛生を徹底し、本ガイドラインを踏まえた取扱 いを行うことで、十分に感染のコントロールが可能です。」

■遺体からの飛沫感染リスクはない
飛沫感染リスクがほとんどないことについては「Q&A」で繰り返し説明している。
「問 6 遺体からの感染リスクが低いという根拠は何ですか。
A 新型コロナウイルス感染症は、感染者の咳やくしゃみ、つば等による飛沫感染や接触感染で感染すると一般的には考えられています。したがって、咳やくしゃみをしない遺体からの飛沫感染のリスクは低く、接触感染対策を講じることでコントロールが 可能です。」
「問 7 遺体を動かしたときに、咳やくしゃみのように、肺の拡張・ 収縮により飛沫が発生しますか。また、飛沫感染の原因となり得ますか。
A 死後硬直で肺の拡張や収縮は起きないため、遺体を動かしても飛沫の発生はないと考えられます。しかし、遺体を動かした際に体液が漏出する可能性はあり、それが飛沫となって飛 び散る可能性はゼロではないものの、生きた感染者もしくは治療中、生存中の感染者と異なり持続的にウイルスを含む飛沫が体外に放出されることはなく、解剖のような 特別の処置を行わない限りは遺体からの飛沫感染のリスクは低いと考えられます。」

■接触感染リスクは便、体液
問題は接触感染リスクということに絞られる。

「問 8 死後に細胞が死ぬことを考えると、死後にウイルス増殖が著しく減少することは明らかなことと思われますが、遺体が接 触感染以外に感染能力がないこと、もしくは死後感染力が著しく減少することの、科学的根拠はありますか。
A これまでに通常の遺体の取扱いにおいて、遺体から新型コロナウイルスに感染した事例の報告はなく、遺体からの感染の可能性は低いと考えられます。新型コロナウイルス感染症は呼吸器感染症であり、呼吸によりウイルスが患者体外に放出されます。遺体では、生命活動(呼吸、くしゃみや発語等)の停止に伴いウイ ルスの体外放出が止まり飛沫感染のリスクは極めて低くなります。
一方で、体外に排出されたウイルスが環境中で一定期間感染性を保つことが報告されていることから (ウイルスは細胞の外では増殖できません)、死後にウイルスが増殖しなくとも患者体内には感染力を保ったウイルスが一定期間存在していると考えられます。感染力を持ったウイルスは便等、呼吸器以外の体液にも存在することが報告されており、遺体 (特に体液)からの接触感染のリスクに対する防御が必要です。接触感染は、ウイルス汚染部を触れた手指で目や鼻腔、口腔等の粘膜を触れることにより成立しますので、 手袋を装着していたとしても汚染された手袋で人や周囲環境に触れる行為は感染の原因となります。よって、手袋装着時は、人や周囲環境に触れないように注意することと、手袋を外した後は手指衛生を徹底してください。」

つまり「死後にウイルスが増殖しなくとも患者体内には感染力を保ったウイルスが一定期間存在」していると考えられ、便、体液、分泌物に残存すると考えられるので、便や体液等との接触感染に注意する必要がある。
便、体液等以外の遺体の一部分に触れたからといって感染リスクがあるわけではない。

■接触感染リスクは主として医療従事者
遺体からの感染リスクは接触感染のみで便、体液等ということになれば、接触感染リスクを負うのは遺体を取り扱う者全てではなく、死後の遺体のケア(エンゼルケア)を行う看護師、そして非透過性納体袋に収容・消毒する役割と今回改めて認定された医療従事者である。

本来非透過性納体袋への収容・消毒は医療機関側に位置づけられていたが、実際には医療機関によって異なりがあり、葬儀従事者、搬送従事者がこれを行わざるを得ない場合も事実として存在した。
3-4月は医療機関も混乱し、防御服、納体袋の備えも不足したという事情もあった。
そのケースが少なくないことから、葬儀従事者が「感染症へはアマチュア」と言い訳してCOVID-19による死者の取り扱いを拒否する事態も招いた。
こうした事態への反省から、「非透過性納体袋への収容・消毒」は病院の責任と改めて明記された。

非透過性納体袋に収容された後は遺体からの感染リスクはほとんどなくなると考えられる。
「非透過性納体袋に収容・密閉され、破損等も生じていなければ、遺体への特別な感染対策は不要ですが、非透過性納体袋を適切に管理することが必要です。」

■医療従事者以外が接触感染リスクをもつのは
納体袋の開封、あるいは破損がなければ遺体の便や体液等との接触感染リスクはない。
葬儀・搬送・火葬というその後に遺体を取り扱う従事者に必要となるのは、納体袋を開封しないこと、納体袋を破損しないよう管理することである。

※ドライアイス 
「非透過性納体袋にドライアイスを入れると破裂のおそれがあるので、ドライアイスを入れないでください。また、ドライアイスが直接触れると、生地が劣化し破損するおそれがあるので、ドライアイスが非透過性納体袋に直接触れないよう注意してください。」
納体袋の破損についてはドライアイス以外に「ゆすったり、ぶつけたりすることによる破壊」が考えられるが、納棺することでそのリスクは大きく低減される。

納体袋が破損した場合には、遺体を再び新しい納体袋に収容する必要があり、その作業中に体液等に接触する可能性がある。可能性は低いがそうした作業が必要となった時には非透過性納体袋を予備しておくこと、「個人防護具〔サージカルマスク、手袋、長袖ガウン、目の防護具(フェ イスシールド又はゴーグル)〕の着用」が必要となる。もっとも収容作業のやり直しという限定的な作業なので、使い捨て手袋の着用と作業後の手洗いが基本となる。

遺体からの感染リスクがあるのはCOVID-19の場合だけではない。葬儀従事者は日常において、納棺、ドライアイスの交換等の遺体との接触場面においては、使い捨て手袋の着用、作業後の手洗いは必須のこととしておく必要がある。このことができていれば感染リスクは格段に低減する。これはCOVID-19の感染死者の扱いにおいても同様である。

■顔の部分が透明な非透過性納体袋が望ましい
神戸新聞4月4日
「新型コロナウイルスの感染拡大で兵庫県内でも10人以上の死者が出る中、神戸市が遺体を包む透明の「納体袋(のうたいぶくろ)」を用意したことが3日、分かった。通常は自治体が用意するものではないが、今回感染防止策の一環として発注した。同袋は、遺体が外から見えないよう白色などを使うのが一般的だが、収容しさえすれば故人の顔を見て葬儀を行うことが可能になるため、あえて透明のものにしたという。(霍見真一郎)」

今回のガイドラインで透明な納体袋の使用が推奨された。「遺族等の方の心情や遺体識別の観点からは、少なくともお顔の部分が透明な非透過性納体袋の使用を推奨します。」

一般の非透過性納体袋は透明性がないため、その場合には工夫も例示された。「・お顔の部分が透明ではない構造の非透過性納体袋でも、遺族等の方の同意を得て 次のような工夫を施せば、お顔を見ていただくことができます。
 1)透明なビニール袋を上半身に被せます。〔インナーが透明な場合は不要〕
2)非透過性納体袋に収容して、 足からチャックを閉めていきます。
3)お顔のところでチャックをとめます。
4)透明なビニール袋と非透過性 納体袋に隙間ができないよう、 止水テープで密閉します。」

これは「遺体との対面がかなわなかった」という遺族等の嘆きを重要視したものである。
もとより遺体と対面してのお別れについては、医療従事者に対して「臨終後の対応」として「遺族等の方は悲しみと不安を抱えておられますので、お気持ちに寄り添いながら対応を行ってください。病室でひと時のお別れの時間を設けることも考えられます。」と記している。
これまでCOVID-19の感染死亡者については病院でも火葬場でも対面がかなわなかったケースが多く、「対面してのお別れ」がどこかでできるように、というのが今回のガイドラインの眼目の一つとなっている。
もっとも納体袋の開封は推奨されていない。
また立ち会えないケースも想定してオンラインという手法も提案されている。

■納棺は医療と葬儀の中間に
東北大病院のマニュアルでは、非透過性納体袋への収容のみならず納棺(木棺は葬祭従事者が用意)までが医療機関の作業と定められている。
今回のガイドラインにおいて、納棺は医療従事者とも葬祭従事者とも記されていない。「納棺」の主な関係者としては「医療従事者の方」「遺体等を取り扱う従事者の方」の2つに〇がついている。
一般に考えれば、納体袋への収容作業の一環として納棺作業まで医療機関が責任をもち、搬出・移動は葬儀(搬送)従事者とする方がうまくいきそうである。

納棺された状態であれば通常の柩の搬出・移動と同じであり、葬儀(搬送)従事者は他の遺体と変わらずに対応できる。
だが、医療機関もさまざまという実態から言えば、中間に置かざるを得なかったのだろう。

■COVID-19の感染死亡者の葬儀
「通夜、葬儀を執り行うかどうかは、非透過性納体袋の適切な管理を含め、感染対策の徹底が可能かどうかを踏まえて検討する必要があること」
と書かれ、普通の葬儀の可能性を否定していない。
「非透過性納体袋の適切な管理」とは納棺された状態ではほぼ問題がない。

「感染対策の徹底」とはその他の葬儀の場合にも言われることで、「三密を避ける、換気、マスク、手洗い、ドアノブ等の消毒」である。

問題は、遺族等に「濃厚接触者」がいるのでは?という不安である。たとえ無症状でも感染者がいれば感染リスクは高まる。納棺された状態からの感染リスクがほんどないのだが。
この間も葬儀従事者、火葬従事者の不安は「濃厚接触者からの感染」が大きかった。

ガイドラインでは
「新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方の通夜、葬儀については、現下の社会状況から、執り行われる機会が少なくなっていますが、今後の社会状況の変化や遺族等の方の意向を踏まえ、執り行うことが可能かどうか検討してください。」
とあるが、

「○ 必要に応じて代表参列やオンラインを活用する等のできるだけ対面を避ける取り組みも推奨されます。
○ 通夜、葬儀を執り行うことが困難な場合は、火葬後に後日、改めて骨葬を執り 行うこと等も考えられます。」
とオンライン、火葬後の遺骨での葬儀(骨葬)という現実的な選択肢を示している。

個人的感想としては、現実的には濃厚接触の危険、不安を考慮すると、火葬後の2週間から1か月の間での骨葬である。
であれば濃厚接触者からの感染という不安もなく、またあまりに時間が経過して中途半端な状態が続く、ということもなくなるだろう。

■濃厚接触者
「濃厚接触者」の定義は、国立感染症研究所では次のようになっている。(4月20日変更)
「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」の感染可能期間(発熱及び咳・呼吸困難などの急性の呼吸器症状を含めた新型コロ ナウイルス感染症を疑う症状(以下参照)を呈した 2 日前から隔離開始まで)に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。
・ 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・ 適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者
・ 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・ その他: 手で触れることの出来る距離(目安として 1 メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と 15 分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。 」

であることから遺族等は同居していた者もいて「濃厚接触者」を疑われた。

問題は誰が「濃厚接触者」であるか?だろう。
本ガイドラインには「情報共有シート(関係者記入用・医療従事者、遺体等を取り扱う事業者)」と「情報共有シート(遺族等記入用)」があり、遺族等用には濃厚接触者の症状有り無し、PCR検査結果」が全員申告されるようになっている。
洩れはあるかもしれないが、これでかなりの安心が担保されるだろう。

■感染症対策士の養成
今回の騒動を見て思うのは、葬儀関係者の中に感染症対策に自信のある者があまり多くない、という現実である。
葬祭ディレクター技能審査では公衆衛生も課題の一つとなっているが、感染症対策に特化した講習を行い、その講習履修者に公衆衛生対策士のような資格を付与し、実際の任に当たらせる工夫は必要なのだろう。
いつまでもアマチュアでは困るのだ。

COVID-19の問題はこれだけではない。医療従事者は仕事のストレスに加えて、医療機関全体の大幅な収入減という不安の中にいる。葬儀従事者も従業員のみならず遺族等、会葬者に感染が生じないようにというストレス、さらに直葬、一日葬が増え、死亡取扱い数は増加しているが単価の落ち込みが酷く経営不振という不安を抱えている。
しかもいつ終息するという見通しもない。

■焼骨(遺骨)からの感染はない
岡江久美子さんが火葬され、その遺骨がご遺族宅に届けられた時、玄関脇に置かれ、後から家族がその遺骨を引き取った様子の映像がテレビで流れたが、もとより火葬後の焼骨(遺骨)からの感染の危険性はない。

ガイドラインにも明記されている。
「100℃を超える温度にさらされたウイルスは失活すること、その温度に達するま では注意が必要であることについて、理解しておくようにします。」

■指定感染症ということ
COVID-19が「指定感染症」とされたことに一部誤解がある。

墓地埋葬法第3条に

 

「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く外、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければ、これを行つてはならない。」とある。

そして感染症法第30条には

「第30条(死体の移動制限等) 都道府県知事は、一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため必要があると認めるときは、当該感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体の移動を制限し、又は禁止することができる。
2 一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、火葬しなければならない。ただし、十分な消毒を行い、都道府県知事の許可を受けたときは、埋葬することができる。
3 一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、二十四時間以内に火葬し、又は埋葬することができる。」

とある。

一類感染症の場合にはアフリカでのエボラ出血熱の問題から「24時間以内の火葬」を厚生省令で定めているが二類、三類については「24時間以内に火葬することができる」となっていて24時間以内の火葬を義務付けてはいない。
ガイドラインにおいても「新型コロナウイルス感染症により亡くなられた方及びその疑いがある方の遺体は、 24 時間以内に火葬することができるとされており、必須ではありません(感染症の予 防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第 30 条第 3 項、新型コロナウイルス 感染症を指定感染症として定める等の政令第 3 条)*。」とある。
今回のCOVID-19は指定感染症に指定されたが、「二類相当」とされている。

実際にCOVID-19の感染死亡者の火葬は3日以上待った例も多かったようだ。

■医療機関から遺体取扱い事業者の伝達
今回厚労省は3月通達を出した。
「医療機関等は、遺体が新型コロナウイルス感染症の病原体に汚染され又は汚染された疑いのある場合、感染拡大防止の観点から、遺体の搬送作業及び火葬作業に従事する者にその旨の伝達を徹底して下さい。なお、その際は、伝える相手を必要最低限とするなどプライバシー保護にも十分配慮して下さい。」
ガイドラインにおいても医療機関に向けて次のように書かれた。
「遺体等を取り扱う事業者の方に対して、新型コロナウイルス感染症の方又は新 型コロナウイルス感染症が疑われる方の遺体である旨を説明します。仮に、遺体搬送後に当該患者が新型コロナウイルス感染症患者であると確定した場合には、速やかに遺族等の方及び遺体等を取り扱う事業者の方に伝達をお願いします。また、新型コロナウイルス感染症が疑われていた患者の遺体搬送後に、 新型コロナウイルス感染症ではないと確定した場合にも、速やかに伝達をお願 いします。」

とかくするとこれまで医療機関と葬儀関係者との間にコミュニケーションのギャップがあったので、今回伝達徹底がなされたのは大きな進歩だと思う。
情報共有シートが生かされることを切に希望している。

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/