COVID-19の流行の現況と葬儀における感染・クラスターの事例

■感染の現況

COVID₌19は、2020年11月15日現在、次のような感染状況にある。

●世界
※COVID-19Dashboard(ジョンズ・ホプキンス大学)による。
感染者(陽性者)数(累計)54,370,186人
死亡者数(累計)     1,317,139人

感染者数で見れば
①米国   11,036,935人
②インド  8,845,127人
③ブラジル 5,863,093人
④フランス 1,915,713人
⑤ロシア  1,910,149人

死亡者数で見れば
①米国   246,214人
②ブラジル 165,798人
③インド  130,070人
④メキシコ 98,542人
⑤英国   52,026人

感染は人を選ばない。
とはいえ、上位の米国、インド、ブラジルで見れば、入院の遅れ等、貧困層、環境的に劣悪な層での感染、重症化リスクが高く、感染症は社会的弱者を直撃しているといえよう。

●日本国内
世界的に見れば、感染率、死亡率とも低位ながら、10月中旬以降は「第3波」が到来して感染拡大は依然として収束にはほど遠い。

厚労省(11月15日)によれば、空港検疫、チャーター便を含めた日本国内の感染(陽性)者は累計で118,136人、死亡数は1,884人となっている。

陽性者数の推移(厚労省)

重症者数の推移(厚労省)

感染者(陽性者)数に比して第2波においては低く抑制されている。しかし、10月中旬からの第3波は、第2波に比して大きく、重症化率も大きそうである。

■葬儀における感染・クラスターの事例

本稿は、現在執筆中の論稿の一部を構成するものであるが、本稿発表に先立ち、その一部を公開する。

2020年5月4日、専門家会議は「新しい生活様式」を提唱。その実践例に「冠婚葬祭などの親族行事」をあげた。これは3月に愛媛県での葬儀でのクラスター(集団感染)発生を受けてのものと思われる。

「なお、これまで、医療福祉関係施設を除けば、接待を伴う夜間の飲食店や居酒屋において、多くのクラスター(集団感染)が発生したことが分かっている。また、屋内運動施設(フィットネスジム等)やライブハウスでクラスターが発生した場合に 感染者数が多い傾向がある。このほか、カラオケ・合唱関係の場や通夜・葬儀の場などがクラスターとなったことについて、十分な留意と周知が必要である。 」(専門家会議)

⓵愛媛県での葬儀におけるクラスター(再掲)

「新型コロナウイルスの感染の確認について(愛媛県保健福祉部健康衛生局)
 昨日(3月30日)、県内で新型コロナウイルスの感染者が5名確認されました。感染者5名のうち、4名は県内で初の集団感染事例、残り1名は別の事例です。感染症指定医療機関への入院手続きを進めるとともに、松山市が積極的疫学調査及び健康観察等を実施しており、県と松山市が連携して対応してまいります。
《集団感染の事例と症状》
1 感染者の概要
 ①50代男性(松山市・自営業)、② 60代男性(松山市・自営業)、③80代男性(松山市・無職)、④80代男性(松山市・無職)  
2 症状・経過・行動歴
 3月22日、松山市内で通夜・会食に参加
 3月23日、葬儀に参加
 通夜・会食・葬儀関係の参加者21名、うち県内在住者13名。
 3月30日 栃木県から、同県で感染を確認した東京都在住者が松山市内での通夜及び葬儀に参列していた旨、本県に連絡あり県内在住者7名の検査を実施、検査結果判明(4名陽性、3名陰性)
 50代男性は発熱なし、倦怠感あり。60代男性は症状なし。80 代男性は発熱(37・6℃)、頭痛、悪寒あり。80代女性は発熱(37・6℃)、咳、鼻水、咽頭痛あり。4名とも感染症指定医療機関に入院」

このニュースが大きく取り上げられたが、報道されたかぎりであるが、葬儀を介して感染した疑いのある事例、特定されたクラスターは、本件を含め合わせて10件を下回る(2020年11月5日現在)。「生活様式の実践例」に取り上げられるほど多いとはとうてい言えない。

②その他の葬儀での感染疑い、クラスターの事例

・3月・新潟県
 3月27、28日に新潟市内で親戚の葬儀に参加し、東京を含む県内外から葬儀に親族など10数人が集まったうち3名の感染が確認された。


・8月・千葉県
 「千葉県の匝瑳市や旭市などで、葬儀や関連する会食などに参加した親族間で、29日までに合わせて17人の感染が確認されました。千葉県によりますと、これまでに感染が確認された同じ親族の17人は、いずれも、今週行われた亡くなった親族の通夜や葬儀のほか、それに先立って開かれた会食などに参加していたということです。県は、親族が亡くなったことに伴って、それぞれが顔を合わせる機会が増えていたことから、どこで感染が広がったのかは特定はできていないとしています。県によりますと、通夜や葬儀には親族合わせておよそ30人が参列していたということ。」(NHK8月29日)


・10月・茨城県
 「茨城県は30日、新たに7人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。このうち高萩市の70代の自営業男性はやや重い症状で、他の6人は軽症か無症状。高萩市で感染が確認されたのは初めて。県内の感染者は計764人になった。高萩市の男性は、県外で陽性確認された親族と19~20日、県内で開かれた通夜と告別式で接触があった。」東京新聞10月30日)

・11月・北海道

 「札幌市で市内の冠婚葬祭に伴う会食でクラスター発生」(NHK11月5日)

葬儀を介した感染・トラスター事例はさほど多くはない。

注意すべきは、経営者・従業員等が市中感染に巻き込まれ、さらには職場感染することである。葬祭関連の経営者・従業員等が市中感染した事例は一般的に必ずしも多いとはいえないが、既に確認されていることは事実である。

ここまで市中感染が拡がっていると、都市部・地方を問わず、ゼロにすることは不可能である。
むしらこれへの対処が極めて重要となる。

うち2社についてはホームページで詳細に経過説明を行っており、こうした情報公開は必須のものであり、高く評価される。

http://www.hirosakikouekisya.co.jp/juyouosirase/

 

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/

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