筑豊の子供を守る会 総括1 「筑豊の子供を守る会とは?」

はじめに

このたび「筑豊の子供を守る会」に触れた新著が出た。

細井勇/城島泰伸『筑豊の生活保護とキリスト教―「制度」か「人間」かをめぐる運動史』(ミネルヴァ書房2023年9月)
である。

第12章が細井勇(福岡県立大学特任教授)による「筑豊閉山に伴うキリスト教学生運動『筑豊の子供を守る会』」である。

細井は先に
『編集復刻版「筑豊の子供を守る会」関係資料集成』全8巻(六花出版2022年)
の実質編集責任者を務め、そこで解説を書いている。
私は資料集成の作成にあたり細井と知り合い、細井が解説をまとめるにあたり、当時の関係者としてかなり密な意見を交換した。
細井は当時の関係者の意見の多くをを取り入れたが、最終的には筆者の責任とされた。細部において、特に昭和SCMとの関係については私は意見を異にしている。

その出版記念として2つのシンポジウムが行われ、私は1966-67年の第6代(最終)中央委員長として参加した。

①国際基督教大学平和研究所「1960年~70年の若者は、何を考え・行動したか」
 2023年1月9日
 発題:細井勇、舩戸良隆(初代委員長)、私(第6代最終委員長)
②福岡県立大学「筑豊の炭鉱閉山期、『筑豊の子供を守る会』の活動を振り返る」
 2023年2月11日
 発題:犬養光博(元福吉伝道所牧師)、黒沼宏一(第4代委員長)、私(第6代委員長)

このシンポジウムで話すにあたり、半世紀以上前で、私が18-21歳という若い時代に係わった学生運動「筑豊の子供を守る会」(1960~67年で、私は後期の64~67年に係わった)の総括作業を昨年は行うことをよぎなくされた。
というより総括する機会を与えられたと表現したほうがいいだろう。

今回2つの本が出たが、1960~67年の筑豊の子供を守る会の活動実態はあまり知られていない。
そこで3回に分けて私の個人的な総括を紹介しておくことにする。

総括の構成

総括1 筑豊の子供を守る会とは?
これは②の2月の福岡県立大学(福岡県田川市)でのシンポジウムで発表したものである。
当時の写真も収録してあるので、会についてイメージしてもらいやすいと思って最初に掲載する。

総括2 筑豊の子供を守る会の歴史
これは関係者に配付するに留まった私的なまとめである。少し大部なため、その一部はシンポジウムでも使用したが、公表していない。

総括3 筑豊の子供を守る会の解体とその後の個人的変遷
これは1月の国際基督教大学平和研究所でのシンポジウムで発表したものである。
主催者から私が筑豊の子供を守る会の解体後に政治的な学生運動に参加した者として関連して話してほしいという要請があったものであるから、個人史とからめて話した。
また、このときの発表についての原稿もあるので、この際ここに掲載することにする。
私についてのウイキペディアでは私の学生時代のことが大きく扱われているが、その実態を私自身で明らかにしておきたいという想いもある。

総括1 筑豊の子供を守る会とは?

 

 

 

 

 

(注)上写真の右のメガネをかけているのが当時の筆者

【参考】
細井勇/城島泰伸『筑豊の生活保護とキリスト教―「制度」か「人間」かをめぐる
運動史』(ミネルヴァ書房2023年9月)
https://www.minervashobo.co.jp/book/b616607.html

編集復刻版「筑豊の子供を守る会」関係資料集成
https://rikka-press.jp/chikuhounokodomo/

(次回に続く)

 

 

 

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投稿者: Hajime Himonya

碑文谷 創(ひもんや・はじめ)/ 葬送ジャーナリスト、評論(死、葬送)、 元雑誌『SOGI』編集長(1990~2016)/ 【連絡先】hajimeh46@nifty.com/ 著書 『葬儀概論(四訂)』(葬祭ディレクター技能審査協会) 『死に方を忘れた日本人』(大東出版社) 『「お葬式」はなぜするの?』(講談社+α文庫) 『Q&Aでわかる 葬儀・お墓で困らない本』(大法輪閣)  『新・お葬式の作法』(平凡社新書) ほか/