エンディングノートと終活

少しずつ記録。 「エンディングノート」と「終活」   「終活」という言葉は、今やすっかりと定着した感がある。 経過として見るならば、まず「エンディングノート」がブームとなり、それを後押しするように「終活」ブームが現れた。   ■エンディングノート   「エンディングノート」について、『現代用語の基礎知識2007』に私が記載した原稿データが残っている。 (もし2007年版が最初であるとすれば、本年(2017年)11月9日発売開始される『現代用語の基礎知識2018』まで12年連続して「葬送」編の用語解説を継続... 続きを読む

死後、人間の身体はどう変容するのか?―死体現象

遺体について論じる時、死体現象について知らねばならない。 病院における「死後のケア」「死後の処置」について看護職にある者は「遺体のその後」について充分な知識をもって死後の処置にあたっているとはいえない。 それゆえ「死後の処置」をもって遺体は安全になるわけではない。 遺体の変容は主として病院から出て、葬祭業者に引き渡されてから本格的に進行するのだが、一部を除いて遺体の管理に自覚的である葬祭担当者は少ない。 私は死体現象について専門家ではない。 そこで、本稿を核にあたり、以下の書籍等を参照したことを予めお断り... 続きを読む

『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓』小谷みどり

小谷みどりさんから最新作 『〈ひとり死〉時代のお葬式とお墓』(岩波新書) が送られてきた。 すごい本だ! 最新の葬送事情が歴史的社会的背景も踏まえ、また確かな情報分析力で描出されている。 この本読まずに葬送を語るなかれ、だ。 「火葬場が足りない?」という表面的にいかにも通の人たちの間違い 神奈川県横須賀市。大和市等の自治体で取り組んでいる話題のエンディングサポート事業 「墓じまい」が話題となっているが顕著に増加する無縁墓 こうした旬の問題だけではない。 ここに取り上げられていない問題はないくらいだ... 続きを読む

平和の礎―戦争を記憶する沖縄、忘却する本土

6月23日は沖縄の「慰霊の日」であった。 糸満市の平和祈念公園で沖縄戦戦没者の追悼式が行われた。 沖縄タイムズは追悼式の模様を次のように報じた。 翁長知事、相次ぐ事件・事故に憤り 沖縄全戦没者追悼式典 http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/105028 沖縄戦から72年「戦争はもう嫌だ」 慰霊の日、島を包む平和の祈り http://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/105014 朝日新聞では「慰霊の日」にちなみ鉄血勤王隊の生存... 続きを読む

「個人化」という社会の問題―葬送を小手先で考えるな!

葬儀の「個人化」現象は1995年前後から明確になり、それから20年。 これが葬儀だけの問題ではなく、今日本社会に大きく進んでいる「個人化」という大きな問題の現象の一つである。 この問題に切り込んだ経産省の20代、30代の若手のレポート「不安な個人、立ちすくむ国家」が注目を浴びている。 これを報じた朝日の今朝(2017年6月13日)の記事社会保障「現役世代に冷たい」 経産省若手、異例の提言http://digital.asahi.com/articles/ASK6D4GVQK6DULFA01D.html?i... 続きを読む