藤井正雄先生のこと

宗教学者、大正大学名誉教授である藤井正雄先生(1934年生まれ)が6月9日にお亡くなりになった。83歳。 浄土宗僧侶(お父上は浄土宗門主、知恩院85世、増上寺84世の藤井實應師)。 仏教と民俗の関係についての研究の第一人者である。 「仏教の民俗化、民俗の仏教化」は名言。 1990年以降は生命倫理に強い関心をもたれ、京大再生医学研究所倫理委員会委員、日本生命倫理学会会長も歴任された。 若い頃、当時気鋭だった学者仲間には奈良康明、佐々木宏幹、山折哲雄、伊藤唯真氏らがいる。 私の関心から言えば、先生は葬送と仏教... 続きを読む

超高齢社会 「死」の観念、大きく変化-中外日報コラム(2)

(1)「孤独死」「無縁墓」は再考を―中外日報コラム(1) https://hajime-himonya.com/?p=1572 超高齢社会 「死」の観念、大きく変化―中外日報コラム(2) 「平成29年版高齢社会白書」によれば、2016年の日本の総人口1億2693万人に対し、65歳以上人口は3459万人となり、高齢化率は27・3%。 指標では21%以上は「超高齢社会」であり、日本では10年にすでに突入している。 問題は「現役世代」(15歳~64歳)の比率の低下である。 戦後高度経済成長期の初期である55年に... 続きを読む

「孤独死」「無縁墓」は再考を―中外日報コラム①

  仏教関係の新聞『中外日報』2018年4月20日から5月18日まで4回にわたってコラムを掲載した。 これについては後で紹介するつもりであったが、予想よりも早く中外日報ホームページに1回目が掲載された。 「孤独死」「無縁墓」 価値観伴った不当な言葉  www.chugainippoh.co.jp/rensai/zuisou-zuihitu/20180420.html   そこで慌てていったんアップしたが、少し注を入れよう、ということで再アップする。 以下が原文に注を加えた... 続きを読む

報告 太田宏人さんの葬儀のこと

2018年5月24-25日、15日早朝に48歳の若さで亡くなった太田宏人さんの葬儀が行われた。 太田さんは、雑誌『SOGI』を休刊に至るまでの後期、12年間にわたり共に支えてくれた。 東京都大田区の臨海斎場(最寄り駅モノレール流通センター)で、24日18時から通夜、25日10時半から葬儀が行われた。   会葬者で目立ったのは彼の属する曹洞宗のみならず各宗派の若い僧侶たち。 彼が東日本大震災の後、長期に係わり、死後遺骨の一部を散骨してほしいと熱望した宮城県女川の若い僧侶も駆けつけた。 全国から駆けつ... 続きを読む

散骨の島 カズラ島

「散骨の島」として知られるカズラ島について、本日(2018年5月20日)の朝日新聞に作家である重松清さんと訪問した 「(視界良考)重松清さんと @自然葬の島」 https://digital.asahi.com/articles/DA3S13502356.html?iref=pc_ss_date が載っている。   カズラ島のことはもっと知られていい。 島根県隠岐の海士町にある無人島カズラ島。 ホームページ http://www.kazurajima.jp/   私はカズラ島につい... 続きを読む