「0(ゼロ)葬」批判を書いた

今年の梅雨は「梅雨らしい梅雨」であった。湿度が高く、いつ、どこに雨が降り出すかわからない、という局所的豪雨はあるし、はなはだ不快な毎日だった。 7月22日、きょうから梅雨明け、「夏」到来。湿度さえ低ければ、いいのだが。 島田さんの「0葬」への批判を雑誌に書いた。今週中にも送れるだろう。 島田さんの本が世の中をリードしているのではなく、彼の主張するような環境が生まれ、それを彼が書き、本が売れるという流れだ。 でも彼の提供してくれる話題は、いかにもマスコミが取り上げやすいので、『週刊ポスト』と『週刊現代』がす... 続きを読む

青木新門『それからの納棺夫日記』を読んだ

尊敬する先輩(ほぼ10年、年長である)青木新門さんの『それからの納棺夫日記』(法蔵館)が2月10日発売となる。 おそらく新門さんの原稿を毎号雑誌に掲載させていただいている縁で、発売日前に新門さん直々の清冽な文字で送っていただけた。 この本ができるまでに数年を要したことを知る者としては早速、謹んで読ませていただいた。 全体の構成はこうだ。 序 『納棺夫日記』と映画『おくりびと』 第1章 死の現場での体験 第2章 死ぬとはどういうことか 第3章 死者たちに導かれて 第4章 いのちのバトンタッチ 序では、原作者... 続きを読む

学者は手を抜くな 松尾剛次『葬式仏教の誕生』

きょうは雨あまり得意ではない。 日本中世史が専門で注目していた松尾剛次さん(山形大学教授)が本を出した。『葬式仏教の誕生 中世の仏教革命』(平凡社新書)というタイトルだから買うじゃないですか。しかし、この本は、学者はよほど調べなければ専門外のことを書くべきではない、という見本みたいな本である。 「現代」という問題意識、昨年ブームになり今や急激に廃れた島田裕巳さんの『葬式は、要らない』に対抗したつもりだろうか。島田さんの本が売れたのは時代のムードに合ったからであり、本の内容は素人丸出しの程度の低いものであっ... 続きを読む