抑圧された悲嘆

きょうは雨、午後に旧知の人を訪ねて寺に行く予定。 昨日締切の原稿を「月曜日まででいいですよ」との優しい編集者の言葉に甘んじて、昨日完成しなかった原稿をきょう帰ってから仕上げなくてはと思う。そろそろたて込んでくる。外出を控えて1本1本書いていかなければ、と思う。 昨日、問い合わせがあったが、「直葬」についてはっきりしたデータはない。知り合いの連中から訊き出したのが東京23区では20~30%程度、ある新宿区の葬儀社では40%ラインの攻防が続いているようだ。ある葬儀社の人間は「うちでは少ない」と言っていたとの記... 続きを読む

忘年会シーズン

今年の冬はさほど寒くないかな、と思っていたら、やはり季節は巡るもので、そろそろ冬が到来。 12月は何かと呑む機会が多い。1年に1回会う人と会うのもこの季節。お互いの無事を確認するのだが、こっちはそろそろやばいか。 人に伝えるときは、やはり細かく伝えたほうがいいようだ。「記事を使っていいよ」と言ったら、まるまる1冊分くらい使われて、慌ててストップをかけた。理解がくいちがったわけで、向こうも作業が無駄になったのだから、迷惑を結果としてかけることになった。 「常識」というのが、お互いに違っているという例。 こっ... 続きを読む

ちょこっとだけ

「直葬」についての取材が多い。いろんな面から考える。そもそもこれを選んでいる人は一通りではない。いろんな理由や考えがあって、それがもっとも単純な方法に行き着いている。そして終わった後に悔いている人もいれば、さっさと日常世界に復帰する人もいれば、形は簡単であったが、どっと疲れて寝込んじゃう人もいるだろう。 葬儀の方法が地域で決まっていたとき、いろんな複雑な感情が、その中に押し込まれ、ある人は苛立ち、ある人は諦め、ある人はそれで満足し、ある人は悲嘆を閉じ込め、ある人は声には出さないが怒っていたんだろう。 多様... 続きを読む

想像力が欠如した民俗学

例えばこんな習慣がある。 東アジアのある地域では小さな子どもの死に際し、葬式をしない。それは後に生まれ変わり再生することを願うからだ、という。 日本にも昔、こうした習慣があった地域がある。小さな子どもの死に際してきちんとした葬式をしなかった。 貧しく、医療サービスがいきとどかず乳幼児の死亡率がすさまじく高い時代のことである。 戦後の日本では乳幼児の死亡率が急激に減少し、その結果、死亡率も低下し、平均寿命も伸びた。 小さな子どもの葬式をしないと聞いて、生まれ変わっての再生を願うという観念が当然とされる子ども... 続きを読む

地盤変化が起きている

95年以降の葬儀の個人化傾向はますます進んでいます。00年以降の自宅安置習慣が消失文字通り、死亡も葬式も生活離れが進みました。05年以降の直葬の流行 と来て、最近では「うちは下町だから、地域があるから家族葬や直葬は関係ない」とおっしゃっていた葬儀社の方々が、青くなって「もう無茶苦茶だ。ガタガタだ」と悲鳴をあげています。 山の手は流行も早いですが、それぞれで、「多様化」に向かいます。それに対し地域のつながりの強いところは、初めはゆっくりで、従来の風習を変えようとしません。しかし、変わると早いです。「Aさんも... 続きを読む