葬送問題のコンテキスト 「NPO法人が切り開いた葬送の多様化とその将来」

このところ紹介すべき本の紹介がしきれていない。 3冊を本の表紙だけ紹介しておこう。いずれも優れた本。出版順に ①星野哲『「定年後」はお寺が居場所』(集英社新書) ②松島如戒『私、ひとりで死ねますか―支える契約家族―』(日本法令) ③瀧野隆浩『これからの「葬儀」の話をしよう』(毎日新聞出版) 星野さんは立教大学社会デザイン研究所研究員、元朝日新聞記者。 松島さんはりすシステム創始者。 瀧野さんは毎日新聞社会部編集委員。 お三方とも私と親しい関係にある。 これからが本文 葬送問題のコンテキスト... 続きを読む

シンポ「NPO法人が切り開いた葬送の多様化とその将来」

エンディング産業展2018年8月22日~24日に東京ビッグサイトで行われる。 私はこうしたイベントとはほとんど無縁で、エンディング産業展の第1回のパンフレットに葬送業界の概況について書いたことがあるくらいである。   私は、八木澤壮一先生等との関係で旧葬文研(葬送文化学会)のメンバーで、現・日本葬送文化学会の名前だけ(会費を納めるだけ)の会員であるが、現会長の福田充さんから話があって、24日13時~14時半に行われるシンポジウムのコーディネータを務めることになった。   テーマは NP... 続きを読む

海洋民族の記憶の古層―『海へ還るー海洋散骨の手引き』を読む(1)

太田宏人さんとの縁で、村田ますみさんから彼の遺稿が収録された本を出す準備をされていると教えていただいた。 (注)太田宏人さんについては ペルーとの関係を含めてわかる晃輝和尚の https://ameblo.jp/seiryo-koki/entry-12377528763.html hasunohaさん(僧侶)の http://taka.hasunoha-blog.info/shinsai6year/ 私が書いた太田さんの訃報 https://hajime-himonya.com/?p=1569 私が書いた... 続きを読む

藤井正雄先生のこと

宗教学者、大正大学名誉教授である藤井正雄先生(1934年生まれ)が6月9日にお亡くなりになった。83歳。 浄土宗僧侶(お父上は浄土宗門主、知恩院85世、増上寺84世の藤井實應師)。 仏教と民俗の関係についての研究の第一人者である。 「仏教の民俗化、民俗の仏教化」は名言。 1990年以降は生命倫理に強い関心をもたれ、京大再生医学研究所倫理委員会委員、日本生命倫理学会会長も歴任された。 若い頃、当時気鋭だった学者仲間には奈良康明、佐々木宏幹、山折哲雄、伊藤唯真氏らがいる。 私の関心から言えば、先生は葬送と仏教... 続きを読む

超高齢社会 「死」の観念、大きく変化-中外日報コラム(2)

(1)「孤独死」「無縁墓」は再考を―中外日報コラム(1) https://hajime-himonya.com/?p=1572 超高齢社会 「死」の観念、大きく変化―中外日報コラム(2) 「平成29年版高齢社会白書」によれば、2016年の日本の総人口1億2693万人に対し、65歳以上人口は3459万人となり、高齢化率は27・3%。 指標では21%以上は「超高齢社会」であり、日本では10年にすでに突入している。 問題は「現役世代」(15歳~64歳)の比率の低下である。 戦後高度経済成長期の初期である55年に... 続きを読む