死学ー遺体の位置づけと取り扱う者の倫理(2)

死学thanatology,death study ―遺体の位置づけと取り扱う者の倫理 https://hajime-himonya.com/?p=1539   の第2回 死学thanatology,death study ―遺体の位置づけと取り扱う者の倫理(2)   1.死学とは何か?(続き)   1)日本における現状   国際葬儀連盟(FIAT-IFTA)では「葬祭業者」をサナトロジストthanatologistと呼称している。 「サナトロジーthanatology」は「死に関する学問... 続きを読む

死学 ―遺体の位置づけと取り扱う者の倫理(1)―遺体に対する考察

遺体に関する考察   「遺体」についてはこれまで何回か書いている。 しかし、ブログではまとまった形では掲載していない。そこでこの地味だが逃れられないテーマについて、さまざまな形で書いたものを再編して掲載する。 SNSという特性の同時性とはかけ離れたものであるが、ご理解いただきたい。 しばらく続くが、関心のある方は目をとおしていただけると幸いである。   葬儀を論ずる場合に「遺体」は外せない。 しかし、過去に仏教会との関係で葬儀について書き、その中で遺体について書いたら、「残酷過ぎる」ということで、その箇所... 続きを読む

安易に「孤独死」「孤立死」と言うな!―「弔い」としての葬式(2)

安易に「孤独死」「孤立死」と言うな! 死者(遺体)の尊厳と「遺体のリアルな認識」 死者(遺体)の尊厳を守る―というのは、死者(遺体)を美しく保つことだけを意味しません。 腐敗した遺体であろうと尊厳をもって扱うということです。 ※東日本大震災では葬祭業者がこの問題に直面した。 そして死者の尊厳を守るべく正面から相対し、自らの責務を尽くした。 このことはあまり報道されなかったが、きちんと記憶されるべきだと思う。 火葬と埋葬―東日本大震災の仮埋葬 https://hajime-himonya.com/?p... 続きを読む

エンバーミングの教科書を刊行

このところ会う人に「最近ブログの更新がないですね」とよく言われる。 1月からの仕事の重なり、遅れが持ち越している。 このブログでも「3月はお休みします」と書いたが、4月には改善するのではないか、と願望していたのだが、いっこうに改善されないままでここまできた。 自分ではそれなりに着々と仕事をあげているつもりなのだが、3月末に仕上げる作業が7月に入っても上がらない。これはさすが7月中にけりをつけたいと思っている。 4月には書き上げる予定の本の原稿は着手すらしていない。 弁解するなら1月から6~7回の徹夜をした... 続きを読む

学者は手を抜くな 松尾剛次『葬式仏教の誕生』

きょうは雨あまり得意ではない。 日本中世史が専門で注目していた松尾剛次さん(山形大学教授)が本を出した。『葬式仏教の誕生 中世の仏教革命』(平凡社新書)というタイトルだから買うじゃないですか。しかし、この本は、学者はよほど調べなければ専門外のことを書くべきではない、という見本みたいな本である。 「現代」という問題意識、昨年ブームになり今や急激に廃れた島田裕巳さんの『葬式は、要らない』に対抗したつもりだろうか。島田さんの本が売れたのは時代のムードに合ったからであり、本の内容は素人丸出しの程度の低いものであっ... 続きを読む