大都市における「葬祭業」の誕生 ―歴史的考察の意味

葬祭業が今大きな分岐点にあることは確実なようだ。 そして「現場」は、意識していなくとも、試行錯誤の中にあるように思う。 その位相をさぐるべく、歴史を見てみよう。 2回に分けて歴史を取り扱う。 1回目は1877(明治10)年から1935(昭和10)年頃に至る日本の葬祭業の黎明期の約50年間。 2回目は現代から約50年間をさかのぼる。 全国的に見ると戦前は大都市以外では地域共同体が主催する葬儀が主体であるから、「葬祭業」は、ないわけではないが、あまり明確なものではなかった。 一部に葬具提供業として存在したこと... 続きを読む

暦、歳についての話と年末のあれこれ

新年最初の葬研「碑文谷創の葬送基礎講座⑲」では 「暦」を扱った。 私としては珍しいことだが正月にちなんでの話となった。 https://souken.info/himonya19 ■暦、歳 扱った内容は 元号・年号/西暦/太陽暦=グレゴリア暦/旧暦/数え年、満年齢—年齢計算に関する法律/なぜ数え年なのか/年齢のとなえ方に関する法律」/享年、行年/法事は数えが優勢 「年」を表すのに西暦と日本では元号表記があり、暦には太陽暦と旧暦があり、「歳」には満年齢表記と数え年表記とがある。 死亡年齢は今では満年齢表記... 続きを読む

日本人の死生観と神葬祭

本日(12月16日)葬研「碑文谷創の葬送基礎講座」の18回目 日本人の死生観と神葬祭 https://souken.info/himonya18 がアップされた。 葬儀を宗派別に見ると、最近こそ減少傾向にあるものの仏式が8割を超えている。 神葬祭は2%にすぎない。 2017(平成29)年1月発表の日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によれば次のようになっている。 仏式    87.2% 神式    2.3% キリスト教 1.8% 無宗教   3.5% その他   1.8% 無回答   ... 続きを読む

どんなことを話してきたか

今回、シリーズで講義していたものが一段落したので、雑誌を終えた後の2017年以降に話してきたテーマを一覧しておく。私自身の整理という意味が大きい。 講演・講義はすべてPowerPointにしている。 ブログで一部は報告しているが、ほとんどはこれまで記載していなかったものである。 ・変わり続けるお墓と葬送のいま ・現在の「葬送」を考える ・民衆にとっての墓の変遷 ・変わるお墓と樹木葬 ・日本人の葬儀観と死別 ・火葬とそのコンテキスト ・揺れ動く日本人の死生観 ・「死体現象」とは 遺体は公衆衛生上安全か? ・... 続きを読む

人の死を看取り、弔い、葬ること

12月2日に葬研「碑文谷創の葬送基礎講座」が更新された。 テーマは「人の死を看取り、弔い、葬ること」https://souken.info/himonya17 このテーマで書くことは何度目かになる。 私にとってはメインテーマともいうべきもので、これについて触れないと、なにか忘れ物をしたような気がして落ち着かない。 そこで10回に1回とまではいかないが、このテーマにときどき立ちかえることになる。 データはいつも最新であることに気をつけている。 データがすべてでは無論ないが、データを時系列で見ることで時代が浮... 続きを読む