散骨論議の経緯

この項は長い。 目次を参考に少しずつお読みいただければありがたい。 ■最初の散骨(「自然葬」) 日本で近代において記録されている限りの最初の散骨が報道されたのは、市民団体葬送の自由をすすめる会により1991年10月に神奈川県相模灘で「自然葬」と称して行われたものであった。 以後、同会によって「再生の森」にての地上での散骨を実施。 また民間事業者によって「海洋葬」等と称する海上散骨が行われるようになった。 これについては私が知る最初のものは東京都新宿区の葬儀社である公営社によって1994年2月に太平洋上にお... 続きを読む

散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)が公表

■散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)が厚労省HPで公表された 2021年3月、厚労省のホームページに「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」が掲載された。 https://www.mhlw.go.jp/content/11130500/000763737.pdf 厚労省のホームページに入って「散骨」という用語を検索すればすぐ出てくるが、手順からいえば次のようになる。 〈政策〉⇛〈分野別政策〉⇛〈健康・医療〉⇛〈生活衛生〉⇛〈生活衛生対策〉⇛〈施策情報〉⇛〈墓地・埋葬〉⇛〈参考資料集(パン... 続きを読む

墓参りから寺墓の問題まで

本日から春の彼岸(~23日)なので墓参りに行った。 電車で行ったのだが、歩いた距離は自宅―寺往復して(途中少し寄ったが)ちょうど1万歩。 目黒川の川べりにはまだ桜は遠かったが、暖かな春の陽気で、汗ばむくらい。 午前中約3時間。 私の家の墓はいくつかあり、それぞれ分担してみている。 私の担当は品川の東海寺にある曽祖父母の墓。 (上、新幹線が走る脇にある) 父方の祖父母が入っている墓は仙台北山のキリスト教墓地で、従兄弟がこちらはみている。 両親は牧師であった父の最後の赴任地となった山形県天童市の教会の納骨堂... 続きを読む

葬送基礎用語の解説

葬研「碑文谷創の葬送基礎講座16」が本日更新された。 今回のテーマは「葬送基礎用語の解説」 https://souken.info/himonya16 いわば「葬送用語小事典」である。 全体の構成と収録語、関連語は、以下のとおり。 今から考えるともう少し掲載語を増やしておきたかったと思うが(火葬、霊柩車、エンディングノート等)、コンパクトに今の葬送を囲む状況を知る、ということでは有用かと思う。 1.現代社会と死 ▼多死社会▼在宅死—増える老人施設死(在宅ケア/老老介護/認認介護/介護離職)▼自死(自殺)... 続きを読む

古墳から現代まで墓諸相

■またもや無謀なことをやっちまった 2月26日に日比谷カレッジで「民衆にとっての『墓』の変遷」というタイトルで90分で古代から現代までの墓の変遷について話すという、まさに無謀な試みをした。 https://hajime-himonya.com/?p=1849  学生時代、大学は異にしたが、知り合った友人が発行している会員向け月刊の新聞に依頼されて2016年に寄稿したことがあった。 またその友人から「墓について書いてくれ」という依頼があった。 字数は2,400字(400字×4枚) ちょうど大阪府の大仙陵(大... 続きを読む