切り絵でよみがえる葬送習俗の世界

高橋繁行さんが創元社から『お葬式の言葉と風習』を刊行された。 https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784422230412 高橋さんは1954年京都府生まれ、長くルポライターとして科学、人物、笑い、葬式をテーマに活躍されてきた。 葬送関係でも『葬祭の日本史』(講談社現代新書)、『死出の門松』(講談社現代文庫)等の著作がある。 今回の本には「柳田國男『葬送習俗語彙』の絵解き事典」というサブタイトルがつ いている。 今ではほとんど失われた、しかし地方の生活に事実として... 続きを読む

バブルの幻影と葬祭業

鎌倉新書の「いい葬儀」の「ライフエンディング業界のトップインタビュー」というところに私のインタビューが掲載されたので報告しておく。(雑誌『仏事』にも掲載されるらしい) 題して、少々禍々しいが 30年囚われ続けたバブルの幻影。葬儀業界は呪縛から解かれ、新たな発想 https://www.e-sogi.com/guide/top_interview/28384/ インタビュー記事なので、あちこち寄り道しながら話したものだが、きれいにまとめてくれてある。 補足するとこういうことだ。 日本の葬祭業は前回書いた... 続きを読む

大都市における「葬祭業」の誕生 ―歴史的考察の意味

葬祭業が今大きな分岐点にあることは確実なようだ。 そして「現場」は、意識していなくとも、試行錯誤の中にあるように思う。 その位相をさぐるべく、歴史を見てみよう。 2回に分けて歴史を取り扱う。 1回目は1877(明治10)年から1935(昭和10)年頃に至る日本の葬祭業の黎明期の約50年間。 2回目は現代から約50年間をさかのぼる。 全国的に見ると戦前は大都市以外では地域共同体が主催する葬儀が主体であるから、「葬祭業」は、ないわけではないが、あまり明確なものではなかった。 一部に葬具提供業として存在したこと... 続きを読む

日本人の死生観と神葬祭

本日(12月16日)葬研「碑文谷創の葬送基礎講座」の18回目 日本人の死生観と神葬祭 https://souken.info/himonya18 がアップされた。 葬儀を宗派別に見ると、最近こそ減少傾向にあるものの仏式が8割を超えている。 神葬祭は2%にすぎない。 2017(平成29)年1月発表の日本消費者協会「第11回 葬儀についてのアンケート調査」によれば次のようになっている。 仏式    87.2% 神式    2.3% キリスト教 1.8% 無宗教   3.5% その他   1.8% 無回答   ... 続きを読む

古墳から現代まで墓諸相

■またもや無謀なことをやっちまった 2月26日に日比谷カレッジで「民衆にとっての『墓』の変遷」というタイトルで90分で古代から現代までの墓の変遷について話すという、まさに無謀な試みをした。 https://hajime-himonya.com/?p=1849  学生時代、大学は異にしたが、知り合った友人が発行している会員向け月刊の新聞に依頼されて2016年に寄稿したことがあった。 またその友人から「墓について書いてくれ」という依頼があった。 字数は2,400字(400字×4枚) ちょうど大阪府の大仙陵(大... 続きを読む