老化、自然死をどう考えるか―Q&A③

死について「おまえはどう考えるか?」と質されると、一般論の解説では済まない。ここは素直に自分の考えを言わないといけない。 ③老化、自然死をどう考えるか?-Q&A③ Q医療の発展により長生きできることは良いことなのか。「当然」と多くの人は答えますが、医療費の増大がこれからの子どもたちに負担になることを考えると、老化→自然死をどう考えますか?(私の場合は老化とともに死を迎えたい)   Aここで「老化」「自然死」について解説することはしません。 人のいのちは自分では左右できません。そもそもベッドの上で... 続きを読む

自身の樹木葬や宇宙葬への考えは?-Q&A(2)

前回に続きます。 https://hajime-himonya.com/?p=1550 (2)自身の樹木葬や宇宙葬への考えは?     Q  長く葬送という事に向き合ってきて、自身の樹木葬、宇宙葬等の現代の葬儀に対する考えを聞いてみたいと思いました。   A 私は90年代の初期より、初期の跡継ぎ不要の永代供養墓の概念作成、日本最初の樹木葬墓地の理念作り約款作成に関与してきました。 散骨の合意形成にも関わりました。 どんな人も埋蔵を拒否されることなく、自分の想いが生かせるような選択肢を葬送の世界に築きたい... 続きを読む

自身はどのような葬儀を家族に託すのか?―Q&A(1)

葬送について講演した後、寄せられる質問があり、後日にそれについて回答する場合がある。全体の動きを解説するのがほとんどであるが、質問は私自身を直接問うものが多い。 2017年春に「日本人の葬儀観と死別」と題して行った講演後に寄せられた質問(質問は多かったが主催者より求められたもの)4つについて、その質問と回答を順次紹介する。 自身はどのような葬儀を家族に託するのか?―Q&A① Q「ご自身はどのような葬儀を家族に託しますか?」   A基本は妻と2人の子に全てを託します。といっても妻が先か私が先か、こ... 続きを読む

僕はあなたの息子でした―個から見た死と葬送(27)

これを書いたのは2年半ほど前のことである。今も父の死は鮮明である。遺骨の一部は今も私の引き出しに入れてある。 父は晩年、よく「危篤だ」と自分で電話をかけてきた。 兄には別な日に「危篤」になったようだ。 要は「顔を見せろ」ということだ。 行くと息子の顔をまじまじとみつめ、「僕が死んだらどうするか言ってみろ」と言うのだ。 自分の意思が息子に伝わっているか、確認をするのだ。 危篤になった時のことから始まり、葬式や納骨、そして自分の書斎の本の行く末まで、全部を、私が父からそれまで何度も聞かされたとおりに言うと、「... 続きを読む

生死の境界―個から見た死と葬送(26)

そこには痩せこけて、口を開け、固まるように寝ていた人がいた。 思わず引き返し、ドアの横にある名前を確認した。 間違いなかった。そこに姉の名が書かれており、ベッドにも姉の名が書かれていた。 声をかけても反応しない。 1週間前に、間違って携帯を押し、姉につながった。すでに5度目の入院をしていた姉だった。力は弱かったものの受け答えはしっかりしていた。 先に姉を見舞った兄からの電話で、著しく衰弱し変貌していると聞かされてはいた。だが、ここまで酷い変わりようとは思わなかった。 かろうじて呼吸する様が喉で確認できる... 続きを読む